1992 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物分散強化型超合金の微視組織的微小き裂発生・成長の定量評価
Project/Area Number |
03650061
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
北村 隆行 京都大学, 工学部, 助教授 (20169882)
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Keywords | 酸化物分散強化超合金 / メカニカルアロイイング / 微小き裂 / クリープ疲労 / 結晶粒界 / き裂発生 / き裂成長 / 不規則性 |
Research Abstract |
メカニカルアロイイングによってイットリア(Y_2O_3)を分散し,結晶粒を一方向に伸張させた酸化物分散強化超合金Inconel MA754 (結晶横断面径約300μm,長手方向径約4mm)の高温クリープ疲労用試験片(平行部直径10mm)を作成した。試験片は負荷軸が結晶伸張方向と一致するよう採取した。 初期切欠きを有する試験片を用いて900゚Cおよび1000゚Cで高温クリープ疲労試験を実施し,巨視き裂の成長挙動を観察した。表面における観察より,き裂は粒内を高速で伝ぱするのに対して応力軸方向粒界において一時的な停留を示し,不規則なき裂成長曲線が得られた。一方,試験片板厚方向に10結晶粒以上がするので,き裂伝ぱの不規則性は平均化されて,き裂全体ではスムーズな成長挙動を示すことが電位差法による検討より判明した。平均化されたき裂の成長速度はクリープJ積分範囲と良い対応関係を示した。すなわち,全体としては破壊力学の適用が可能である。また,酸化物を付加していない材料のき裂伝ぱ特性との比較より,酸化物分散によりクリープ変形抵抗が改善され,これによってき裂伝ぱが抑制されていることが伴明した。 平滑試験片を用いて900゚Cにおいて高温クリープ疲労試験を実施し,徴小なき裂の発生・成長挙動を観察した。応力軸垂直粒界には,寿命初期に微小なき裂が多数発生するが,これらは応力軸方向の粒界に成長を阻止されるため大きなき裂とはならなかった。寿命中期以降に応力軸方向粒界に隣接する結晶粒内に多数のき裂が発生し,成長を続けて破損をもたらす主き裂を形成した。ただし,各き裂の発生寿命にはかなり大きなバラツキがあり,き裂成長は応力軸方向の粒界により著しく減速されることが判明した。すなわち,応力軸方向に伸張された結晶粒は初期き裂発生・成長の抑制に有効である。
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[Publications] 大谷 隆一: "酸化物分散強化型超合金 Inconel MA754のクリープ疲労き裂伝ぱ" 材料. 40. 1297-1302 (1991)
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[Publications] 北村 隆行: "酸化物分散強化型超合金のクリープ疲労下の微視組織的微小き裂発生・成長" 日本機械学会論文集 A編. 59. (1993)
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[Publications] Ryuichi Ohtani: "Initiation and Propagation of Creep-Fatigue Cracks in an ODS Superalloy Inconel MA754" To be presented in the Asian Pacific Conference on Fracture and Strength 93'. (1993)