1991 Fiscal Year Annual Research Report
表面あれの除去による金属薄板および極薄板のプレス成形限界の向上に関する研究
Project/Area Number |
03650105
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
山口 克彦 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (90027805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 章雄 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (40163183)
今谷 勝次 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (70191898)
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Keywords | 板材成形 / 成形限界向上 / 表面あれ / 極薄板 / 等二軸引張り / 張出成形 / 単純変形経路 / 変形様式 |
Research Abstract |
最近、板材プレス成形品の軽量化要求に対応していくために、できるだけ薄い板を使用して成形を行おうとする努力がなされている。しかし、板厚が薄くなると表面あれによる板厚の不均一さが顕著になるため、成形限界が低下するという新たな問題が生じている。 本研究では、このような問題点を改善するために、成形の途中段階で破断危険部をサンドペ-パまたはバフで研磨し、この部分に生じている表面あれを除去したのち、再び成形を進めるといった方法によって、金属薄板の成形限界向上に対する表面あれ除去の効果を検討した。 本年度は、基礎的事項の把握を目的とし、アルミニウムおよび銅板のプレス成形(単純変形経路の場合)を対象にして以下の検討を行った。得られた結果を要約すると次のとおりである。 1.成形限界に対する表面あれ除去時期の影響 成形の途中段階で、いったん板表面のあれを除去した場合、それ以後の表面粗さの発達状況はどのようになるか、また成形中のどの時期に表面あれを除去するのが成形限界の向上に対して最も効果的かなどを、剛塑性FEMシミュレ-ションと実験の両面から検討した。その結果、破断ひずみの約80%のひずみでいったん粗さを除去するのが最も効果的であることがわかった。 2.表面あれの除去による成形限果の向上と変形様式の関係 板幅とフィレット半径が異なる試験片を用いて平頭ポンチ張出しを行い、ポンチ頭部の平な板面上にひずみ比が異なる種々の変形状態(等二軸引張りから一軸引張りまで)を作り出した。そして、表面あれの除去による成形限界の向上と変形様式の関係を調べた。その結果、表面あれ除去の効果は張出し領域において顕著であり、特に等二軸引張り側に近づくにつれて大きくなることがわかった。
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