1991 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質材料を用いた液膜シ-ルの静および動特性に関する実験的研究
Project/Area Number |
03650126
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
金子 覚 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (90161174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢鍋 重夫 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30016662)
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Keywords | 環状シ-ル / 管摩擦係数 / 入口損失係数 / もれ流量 / 動的流体力 / 動特性係数 |
Research Abstract |
本研究では,液膜シ-ルの動特性を改善する目的から,新たに多孔質材料(焼結金属)をシ-ルしゅう動面に適用することを提案し,これに関する実験的解析を行う。本年度は,まず実験装置本体,給排水系ならびにデ-タ計測システムの設計,製作を行った.本装置の特長は,ロ-タ側に圧力センサを取り付けることにより,円周方向の圧力分布を連続的に測定できる点,およびシ-ルを軸方向に移動させてシ-ルの高圧側流入端近傍の圧力の測定を可能とした点である.次にこの実験装置を用いて,従来の環状シ-ル(材料が多孔質体ではないいわゆるsolidシ-ル)に対する静特性および動特性を実験的に解析した.その結果,以下の点が明らかになった。 1.管摩擦係数,漏れ流量および動特性激数などの結果が,従来の実験結果と比較的よく一致していることから,本装置での実験結果が妥当であることが確認された。 2.管摩擦係数は,軸方向レイノルズ数Raの比較的高い領域(Ra>1500)において,ロ-タ自転速度ω(周方向レイノルズ数Rω)が大きくなるほど値が増加する. 3.入口損失係数ξは,Raの増加につれて減少する。また,Ra一定のもとではω(Rω)が大きいほどξの値は小さくなる。これより,ξを一定値(例えば0.5)と仮定した従来の理論解析は不適当であることが明らかになった.4.シ-ル両端の差圧Δpおよびωが一定の場合,半径方向流体力Frはふれまわり速度Ωにあまり依存せず,常にふれまわり偏心に対する復元力として作用する.また,接線方向流体力FtはΩが増加するにつれて減少し,Ω/ωがゼロをこえた付近から正から負に移行している.FtとΩの方向が一致した場合,ロ-タ系は不安定となるが,本実験ではこの領域は概ね0≦Ω/ω<0.3となった. 5.FtおよびFrの大きさは,同一のΩ/ωに対して,Δpおよびωが大きいほうが大きい.
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