1992 Fiscal Year Annual Research Report
ハイポイドギヤ・ベベルギヤの性能予測と損傷予知に関する基礎的研究
Project/Area Number |
03650128
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
久保 愛三 京都大学, 工学部, 助教授 (10027899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野中 鉄也 京都大学, 工学部, 助手 (00180761)
藤尾 博重 京都大学, 工学部, 助手 (90026097)
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Keywords | 歯車 / ハイポイドギヤ / かさ歯車 / 歯当たり / 伝達誤差 / シミュレーション / 損傷予知 |
Research Abstract |
本研究は、幾何学的形状ならびに機構学的理論が複雑であるため、運転時の振動騒音問題を解決するのが極めて困難な状況にあり、また、強度的信頼性を検討する場合も、その根拠が不明の方法に経験をつけ加えて行われているハイポイドギヤおよびベベルギヤについて、その動力伝達状況のシミュレーション技術を確立して、低振動・低騒音化、軽量化、高信頼性化の設計を可能とし、また、ハイポイドギヤやベベルギヤに初期損傷が発生したときにおこる信号変化の状態を予測して重大損傷を予知する技術の基本を開発することを目的とするものである。 本年度の研究に於いては、新たにハイポイドギヤ3セットを設計製作し、前年度に製作した歯車とともに負荷かみ合い耐久実験を実施した。その結果、運転時間の経過にともない、歯の損傷が発生・進行して行く間に、歯車に起因する振動は次第に増加して歯の折損にいたるものと、歯の折損直前に振動加速度が急激に減少するものとの、顕著な相異のある2つの場合の存在することが認められた。実験後の歯車の歯当たりと歯の破断面を観察した結果、おのおのの場合について若干の性質上の相異が認められた。そこで、最大の歯元応力の発生箇所から歯にクラックが入ることを想定し、その際、歯車振動状態がどのように変化するかをシミュレーションにより検討した。その結果、歯当たりとクラックの入り方の組み合わせによって、歯のかみ合いに起因する振動起振力の周波数構成にかなりの変化を生ずることが明かとなり、歯車損傷の初期発見技術を開発するための基礎が与えられた。 また、この実験とシミュレーション結果との対比作業に於いて、シミュレーションプログラム内容の詳細な再検討を実施し、その信頼性を向上させた。これによりハイポイドギヤおよびベベルギヤの動力伝達状況のシミュレーション技術をほぼ確立する事が出来た。
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