1991 Fiscal Year Annual Research Report
ころがり直線案内機構における転動体ミクロ挙動の解明
Project/Area Number |
03650132
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
諸貫 信行 東京都立大学, 工学部, 助教授 (90166463)
|
Keywords | 直線案内 / ころがり / ベアリング / ミクロ挙動 / 粘弾性変形 |
Research Abstract |
ころがり案内を構成する転動体個々の挙動には,微小な接触領域における弾性変形や潤滑剤の粘弾性などが影響していると考えられ,高精度な直線案内を実現するためには,これらの因子の影響を正確に把握する必要があると考えられる.このようなミクロ挙動を明らかにすることを目的に,今年度は実験装置の準備と簡単な予備実験を行った. 実験装置の構成は,圧電素子を用いた微小駆動装置でサブミクロンオ-ダの直線運動を発生し,これを被測定対象の転動体の片側の転走面に伝達するような機構になっている.このとき転動体に加わる力と変位を圧電型の動力計と非接触変位計でそれぞれ測定し,さらに転動体の中心変位も同様に測定する.これら2つの変位測定結果に線形関係がない場合は接触部に非線形な変形挙動があったと判断できる.実験では静的な変位・力を加えるだけでなく,関数発生器の出力信号を圧電素子に加えることにより正弦波状の変位・力を入力とする.そして,実験パラメ-タとしては転動体の直径(〜5mm)や潤滑条件ばかりでなく,このような変位・力入力の振幅と周波数をパラメ-タとする.解析結果はまだ得られていないが,今後これらの間の伝達関数を含めた整理を行い,ミクロ挙動を解析していく予定である. 今年度得られた成果をまとめると,1)簡単な予備実験を進める中で微少な力を測定することの難しさがわかった(現在も方法を改良中).2)予備実験を進るなかで非線形な挙動が得られつつある.
|