1992 Fiscal Year Annual Research Report
ころがり直線案内機構における転動体ミクロ挙動の解明
Project/Area Number |
03650132
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
諸貫 信行 東京都立大学, 工学部, 助教授 (90166463)
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Keywords | 直線案内 / ころがり / ベアリング / ミクロ挙動 / ヒステリシス |
Research Abstract |
ころがり案内を構成する転動体個々の、微小ストロークのころがり挙動には、非線形で粘弾性的な挙動が含まれる。これは、微小接触領域における弾性変形や潤滑剤の粘弾性による影響と考えられるが、これを明らかにしなければ、より高精度な直線案内を実現することは難しい。そこで、これらの特性を明らかにすることを目的とした実験を行った。 転動体1個(直径4mm)に微小ころがり運動を与える装置を作成し、駆動力ところがり変位の関係を調べた。厚さ50μmのステンレスシート材を用いた平行板ばね機構を用いた駆動機構を構成し、ころがり方向には剛性を高く、また、法線方向には柔軟な機構とした。駆動力の測定はストレーンゲージを用い、変位の測定には容量型変位計(10V/25μm)を用いた。 無潤滑の状態で、駆動力を加え、そして開放するというサイクルを繰り返す実験を行った結果、1)変位量のストロークが9μm程度では力ー変位特性に大きなヒステリシスが観察されたが、2)ストロークを1μmにしたところ、ヒステリシスが小さく、線形性のよい「ばね」としての挙動をすることがわかった。また、転動体の法線接触力を変えながら同様の実験を行ったところ、力が大きくなるとヒステリシスが大きくなる傾向が見られた。これは真実接触面積等の接触状態の変化に起因するものとみられる。 潤滑剤を与えて同様の実験を行ったところ、ヒステリシスの大きさは変わらないものの、力ー変位特性の傾き、すなわち「剛性」に大きな違いがみれらた。 また、法線方向の自由振動についての測定を行い、法線荷重の大きさ、あるいは振動振幅によって非線形な減衰特性を示すことを明らかにした。
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