1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650136
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井小萩 利明 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (90091652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大宮司 久明 東北大学, 工学部, 教授 (70005239)
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Keywords | 乱流モデル / 代数応力方程式モデル / レイノルズ応力 / 非等方乱流 / 履歴効果 |
Research Abstract |
本年度は、直接シミュレーション(DNS)によって作成されたデータベースを用いて、本研究で提案する代数応力方程式モデルの検証を行った。すなわち、従来の代数応力方程式モデルでは不可能であった自由乱流の等方化ならびに減衰過程を表現できるレイノルズ応力の代数表示式を導出し、これまで考慮していなかった履歴項の評価を行った。具体的には、一様非等方せん断乱流のDNSデータに本モデルを適用して、レイノルズ応力の時間発展過程に対する予測精度の比較検討を行った。その結果、本モデルによる非等方性を表わすレイノルズ垂直応力の時間変化の予測は、定性的には類似の傾向を与える従来のモデルに比べ、定量的にかなり改善されることが明らかになった。これは、乱れの生成とその散逸がつり合うと言う局所平衡からのづれが大きいほど履歴効果が無視できないことを示すものである。このことは、レイノルズせん断応力の変化に顕著に現われる。すなわち、履歴効果を無視した従来のモデルではせん断応力の変化を定性的にさえ予測できない(瞬時等方化と言う非物理解を与える)が、本モデルはDNSデータを非常によく予測する。本モデルによって、せん断応力が一度極大値をとりその後等方化するというDNSの結果を、圧力・歪相関項と履歴項の相互作用によってうまく説明できることが明らかとなった。このように、半経験的なモデル化を全く含まないで同定された本モデルと一様せん断流れの実験との比較も行った。その結果、本モデルでは、レイノルズ応力、特に従来のモデルによる予測との相違が著しいせん断応力が実験値とよく一致することが判明し、その実用性が実証され、複雑乱流場の計算に適用できることが示唆された。 一方、一般曲線座標格子を用いる陰的SMACスキームを非定常3次元流れに拡張し、乱流解析用計算コードとしての適合性を検証した。
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[Publications] Ikohagi,T: "Application of an Implicit Time-Marching Scheme to a 3-D Incompressible Flow Problem in Curvilinear coordinate Systems" Computers & Fluids. 21. 163-175 (1992)
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[Publications] Shin,B.R.: "An Implicit Finite-Difference Scheme for Soluing The Unsteady 3-D Incompressible Navier-Stokes Equations" Computational Fluid Dynamics '92(Elsevier). 1. 457-464 (1992)