1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650142
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
亀本 喬司 横浜国立大学, 工学部, 教授 (30018022)
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Keywords | 乱流渦モデル / 離散渦法 / せん断乱流 / 渦輪の干渉 / 三次元渦要素 |
Research Abstract |
乱流混合層や非定常はく離流れの解析に有効な離散渦法を,乱流の渦特性の直接的なモデル化法として発展させることを目的として,本研究の初年度である本年度には,研究計画に沿って次のような研究を実施しその成果を得た。 1.乱流構造解析の基礎的な流れとして取り上げられる一対の渦輪の干渉および三次元自由噴流を対象に,三次元離散渦モデルによるシミュレ-ションプログラムを作成し,試験計算によってプログラムの有効性を確かめた。 2.乱流場の渦度分布を離散化するための渦要素として,渦系法,ボ-トン(vorton)法およびブロッブ(blob)法を取り編げ,渦輪干渉流れおよび軸対称噴流の解析に適用して計算結果を相互に比較した。その結果,渦コアとして球状渦度分布を与える従来のブロッグ法に,新たに対流による渦コアの伸縮および粘性による渦コアの拡散の両者による渦度の変化を考慮に入れることにより,渦輪の合体と再分離および噴流速度せん断層中の大規模渦構造の形成などがより現実的にシミュレ-トされることが明らかとなった。 3.大規模渦構造のみでなく乱流の微細渦特性のモデル化を進めるにあたり,速度変動のみでなく圧力変動についても適切な評価が行えるよう圧力ポアッソン方程式を基礎式とする離散渦法に適した非定常圧力分布計算法を提案し,プログラムを作成した。 以上の研究成果の一部はすでに口頭発表により公表している。来年度の研究としては,本年度に得られた新しい渦モデルを三次元物体のはく離流れ解析に適用し,後流における大規模渦構造の形成とその乱流拡散による微細化渦程をシミュレ-トして,モデルの妥当性に関する評価を行う予定である。
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