1991 Fiscal Year Annual Research Report
カルマン渦が誘起する圧力変動の騒音への変換機構に関する研究
Project/Area Number |
03650149
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
深野 徹 九州大学, 工学部, 教授 (60037968)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角口 勝彦 九州大学, 工学部, 助教授 (60194867)
林 秀千人 長崎大学, 工学部, 助教授 (10173022)
|
Keywords | カルマン渦 / 圧力変動 / 騒音 / 一様流場 / 回転流場 / 離散周波数音 / NACA翼 |
Research Abstract |
a:一様流中に厚みの異なる二種類のNACA対象翼08と15翼を設定する場合と、b:弦長100mm,厚さ3mmの平板の後縁近傍を後縁に向って徐々に薄くした平板翼を回転させた場合のaとbの2種類の実験を行い、各翼の後流の変動特性と騒音発生との関連について検討した。得られた主な結果は以下のとおりである。aの検討結果;翼厚が厚い15翼では、迎え角0〜6度において離散周波数騒音(DFN)が発生する。この時流れは後縁の上流ではく離し、後縁直後でカルマン渦列を形成する。迎え角が増加すると圧力面側のせん断層の振れが顕著となる。翼面に沿う流れは、正圧面側では層流境界層を形成し、後縁の上流ではく離して後縁までせん断層を形成するのに対して、負圧面側は翼前縁近くのはく離泡により境界層は乱流となり、後縁まで付着する。このことは正圧面側の層流境界層のはく離が騒音の発生の原因であることを示している。翼厚が薄い08翼では、迎え角が小さい場合には15翼と同様に後流中にカルマン渦列の形成がみられるにもかかわらず、DFNは発生しない。この差異は渦形成の状態と関係している。すなわち、DFNが発生する場合ははく離せん断層が後縁直後でカルマン渦列へと巻上がるが、発生しない場合は翼後縁からある距離おいた下流においてカルマン渦が形成されるという差異がある。次にbの検討結果;一様流中の平板と同様に、回転場においても負圧面を切削した平板翼では後流直後にカルマン渦列が形成されないが、圧力面切削翼では後流直後に大規模の死水域が形成され速度の周期的変動現象が顕著になる。この差異に対応して前者ではDFNが発生せず、後者では発生する。発生周波数より推定した渦のスケ-ルを用いた発生騒音レベルの予測値はモデルによりよく一致するが、一般的な理論予測式としては、いまだ若干問題を残しており、さらなる検討が必要である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 深野 徹,福原 稔,松尾 哲,林 秀千人: "回転する単独平板翼の後流に関する研究(第2報,迎え角が小さい場合の流動様相に与える先端すきまの影響)" 日本機械学会論文集(B編). 57ー535. 891-897 (1991)
-
[Publications] 深野 徹,福原 稔,磯部 浩,広中 康生,林 秀千人: "回転する単独平板翼の後流に関する研究(第3報,速度の周期変動現象に及ぼす後縁形状の影響)" 日本機械学会論文集(B編).
-
[Publications] Fukano,T.,Hayashi,H.,Isobe,H.,Hironaka,Y.& Fukuhara,M..: "Periodic Velocity Fluctuation in the Near Wake of a Rotating FlatーPlate Blade and its Roll in the Generation of Turbulent Noise" 1992年ASME SIMPOSIUM ON FLOWーINDUCED VIBRATION AND NOISE.