1992 Fiscal Year Annual Research Report
直接数値シミュレーションによる自由せん断流のControlに関する基礎研究
Project/Area Number |
03650154
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
前川 博 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (90145459)
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Keywords | 受容性 / 不安定モード / 直接数値シミュレーション / 伴流 / 混合層 / Control / データベース / 統計(乱流) |
Research Abstract |
本年度は,直接シミュレーションのデータベースについて統計特性の特徴を調査することによって,自由せん断流の構造の発達が統計場にどのような影響を与かるか明らかにした.基本波モードが成長することによって得られる伴流のカルマン渦列が発達し,乱れ強さの流れ方向成分は対称な二つの極大値をもち直角方向成分は伴流中心に強い極大値をもつ分布を与えることがわかった.また,uv相関はカルマン渦列が形成される前後で分布が反転することがわかった.基本波モードが他のモードのエネルギーより十分大きいときは,二次元的なカルマン渦列が形成される.いっぽう,このカルマン渦列を強い低調波モード(1/2と1/4低調波)でControlするとカルマン渦列は変形し基本波と低調波の位相差に応じて構造の合体が始まる.このとき,乱れ強さの流れ方向成分は伴流中心に第三の極大値をもつ分布になる.構造の変化に伴い乱流統計が異なることが明らかになった.伴流においては,構造の三次元化が重要であるが,線形安定性理論では二次不安定に伴い短波長モードと長波長モードの斜波による攪乱によって構造の三次元化過程が異なることが明らかになった.いっぽう,圧縮性が線形安定性理論で与えられる不安定モードの成長に及ぼす影響が調査された.その結果,混合層では移流マッハ数が0.6を超えると三次元モードの成長率が二次元モードの成長率より大きくなり,斜モードの成長によって構造が三次元化することが明らかになった.しかしながら,成長率はマッハ数が大きくなるにしたがって小さくなることが示された.また,伴流においてはマッハ数が大きくなると線形モードの成長率は小さくなるが,二次元モードの成長率が最も大きく構造は二次元的に発達し始めることが示された.構造を制御するためには,従来の低調波モードを利用することに加えて,二次不安定性を利用して構造の三次元化が促進できることが明らかになった.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 前川 博: "圧縮性混合層の不安定モード" 日本機械学会第69期通常総会講演論文集. (1992)
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[Publications] Maekawa H,Moser,RD,Moneor N.N.: "The three-dimensional evolution of a plane wahe" Annual Research Briets. 325-334 (1993)