1991 Fiscal Year Annual Research Report
自由液膜流の乱流遷移現象の解明とこれを応用した新しい液体微粒化法の確立
Project/Area Number |
03650156
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
東 恒雄 大阪市立大学, 工学部, 教授 (40047329)
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Keywords | 乱流遷移 / 安定性 / 境界層 / 液膜流れ / 回転円板 / LDV計測 |
Research Abstract |
本研究は、液体を回転円板に沿わせて流し、円板上で液膜内部にねじれ形層流境界層を発達させたのち、円板周端から液膜を大気中に放出して自由液膜をつくり、乱流遷移を起こさせて微粒化を図ろうとするものである。したがって、円板上の液膜の流れの様子ならびに自由液膜の流れの様子を明らかにする必要がある。 本年度では、回転円板上の層流速度分布を、境界層方程式を差分法で解いて求める方法を明らかにした。こうして得られた速度分布をもとにして、流れの線形安定性を解析し、流れに及ぼす円板の回転の影響が小さいときには、回転の影響は流れを安定化させるように働くのに対して、円板の回転の影響が増大すると、円板の回転は流れを不安定化させるように働くことを明らかにした。これらの結果は、申請者が行った既往の実験結果と一致することを確認した。また、静止円板上の液膜流れの乱流遷移に至るまでの撹乱の成長を壁面圧力を測定して調べ、測定結果は線形安定性理論の結果とよく一致することを明らかにした。 ねじれ形速度分布をもつ自由液膜の乱流遷移を液面性状の観察を行い明らかにした。液膜内部の速度分布をレ-ザ・ドップラ-流速計により測定し、ねじれ形速度分布をもって円板周端を離れた液膜は、下流にいくに従いその速度分布を一様化しながら流れることを明らかにした。速度分布の変化を境界層方程式を解いて求め、LDVの結果と比較し、よく一致することを明らかにした。
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[Publications] Tsuneo AZUMA: "Stability and Transition to Turbulence of Thin Liquid Film Flow along a Rotating Disk" The American Soc.of Mech.Eng.,Fluid Eng.Div.114. 97-102 (1991)
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[Publications] 東 恒雄,脇本 辰郎: "放射状液膜流れの安定性に関する実験的研究" 日本機械学会論文集. 58ー548. (1992)
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[Publications] 東 恒雄,布部 誠: "回転円板に沿う放射状液膜流れの乱流遷移に関する研究(第3報、層流速度分布の数値計算)" 日本機械学会論文集. 58ー548. (1992)
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[Publications] 東 恒雄,布部 誠,酒井 久治: "回転円板に沿う放射状液膜流れの乱流遷移に関する研究(第4報、線形安定性理論による考察)" 日本機械学会論文集.
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[Publications] 東 恒雄,布部 誠: "ねじれ線速度分布をもつ自由液膜流の乱流遷移(第1報、乱気遷移)" 日本機械学会論文集.
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[Publications] 布部 誠,東 恒雄: "ねじれ形速度分布をもつ自由液膜流の乱流遷移(第2報、速度分布)" 日本機械学会論文集.