1992 Fiscal Year Annual Research Report
熱移動をともなう乱流の解析に適した有限要素法のスキーム開発
Project/Area Number |
03650158
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Research Institution | KEIO University |
Principal Investigator |
棚橋 隆彦 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70051638)
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Keywords | 有限要素法 / 乱流 / 熱流体 / LES / GSMAC法 / 自然対流 / 風工学 / 熱伝達 |
Research Abstract |
近年の工学において、計算機による流体解析が果たす役割は年々大きくなっている。この分野における最も重要な課題は、熱移動を伴う工学上の乱流問題を高速高精度に解析できる実用的な流体解析手法を確立する事である。差分法または有限体積法による解析スキームは基本的な問題に対してかなりの成果を上げつつあるが、実用的な複雑な系への応用がかなり困難である。一方、有限要素法による解析スキームは汎用性はあるものの、一般に記憶容量を多く必要とし高速計算に不向きである。 以上のような計算機による流体解析技術の開発現状を考えるならば、構想を新たにした低容量・高速型の有限要素法による流体解析スキーム開発の確立は有意義であると考えられる。 本研究はGSMAC有限要素法の汎用化と実用化をめざし、スキームに乱流モデルを組み込み、熱電磁効果を伴う非圧縮乱流解析用の有限要素法による解析スキームの開発を目的としている。 その結果、有限要素法によるNavier-Stokes方程式の高Reynolds解析に適したアルゴリズムの開発、クリーンルーム内の流れ解析、複雑なビルまわりの風環境、Lorentz力によって駆動される電磁流体の流れ、同軸二重円筒内の自然対流、3次元のCavity Flow、スロッシングする非線形水面波の数値解析、移動層型熱交換器内の流動、回転しているロールまわりの流動解析等を数値実験によって検討し、あわせて一部に実験的考察を行った。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 沖 良篤,棚橋 隆彦: "電磁流体の平行平板間助走区間領域の流動解析" 日本機械学会論文集(B編). 58-545. 14-21 (1992)
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[Publications] 加藤・棚橋・太田: "水平同軸二重円筒内自然対流の有限要素解析" 日本機械学会論文集(B編). 58-547. 686-691 (1992)
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[Publications] 佐藤・渡部・久納・鈴木・棚橋: "回転しているロールまわりの流動拡散解析" 日本機械学会論文集(B編). 58-548. 1086-1091 (1992)
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[Publications] Y.Kato,T.Tanahashi: "Finite-Element Method for Three Dimentional Incompressible Viscocus Flow using Simultaneous Relaxation" JSME International Journal II. 35-3. 346-353 (1992)
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[Publications] 加藤 保真,棚橋 隆彦: "流速とBernoulli関数の同時緩和法を用いた三次元非圧縮粘性流れの有限法解析" 日本機械学会論文集(B編). 58-551. 2100-2107 (1992)
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[Publications] Y.Ido T.Tanahashi M.Kiya: "Fundamental Theory for Hydrodynamics of Magnetic Fluids" Nolinear Phenomena in Electromagnetic Fields. 3. 161-164 (1992)
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[Publications] 棚橋 隆彦: "GSMAC-FEM 数値流体力学の基礎とその応用" (株)アイピーシー, 878 (1991)
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[Publications] 棚橋 隆彦: "連続体の力学(7),(8)" 理工図書(株), 233 (1991)