1992 Fiscal Year Annual Research Report
自由表面及び移動界面を有する粘性流体の動的挙動の解析とその映像化に関する研究
Project/Area Number |
03650160
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Research Institution | CHUO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中山 司 中央大学, 理工学部, 助教授 (20144446)
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Keywords | 自由表面 / 非圧縮粘性流れ / 有限要素法 / マーカー粒子表示 |
Research Abstract |
前年度の研究結果より,有限要素法による非圧縮性粘性流れの解析において,細かい要素分割を使ったときの問題の自由度の増加による行列の大規模化,計算機メモリーの容量不足という困難を克服するための方策を講じることが重要かつ急務であることがわかった。 そこで今年度は,計算機メモリーの制約を受けないナビエ・ストークス方程式との連続の方程式のelementーbyーelement(EBE)解法の構築を研究の第1目標とした.その結果,流速と圧力の計算を要素ごとに行い,大規模な連立1次代数方程式の組み立てとその求解を必要としない新しい解法を作ることに成功した.2次元の流路内流れについて,780の有限要素を用いて計算を行い,節点圧力を未知量とする連立1次代数方程式を解く従来の方法と比較した結果,計算に要したメモリー量は,新しい解法では0.3MB,従来の解法では8.6MBであった.この新しい解法は手順,プログラミングが単純であり,3次元問題への拡張は容易である.3次元流れ問題においても効率の良い計算が期待できるが,これは今後の検討課題としたい. 上記の新しいナビエ・ストークス方程式と連続の方程式の解法を,前年度検討した流体のマーカー粒子表示法と組み合わせて,自由表面流れ問題のための解法を再構築した.それを用いて, 1,ダム崩壊問題 2.液滴と静止液面の衝突現象 3.矩形あるいは楔形物体の着水現象 を解析した.なめらかな液体の動きをシミュレートすることができた.さらに,実験値と計算値の比較を行い,十分な解析精度が得られることを確認した.
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Research Products
(2 results)