1992 Fiscal Year Annual Research Report
含水メタノール燃料を用いた小形2サイクルエンジン性能に及ぼす圧縮比の影響
Project/Area Number |
03650166
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
藤田 尚毅 岩手大学, 工学部, 助教授 (40048830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野寺 英輝 岩手大学, 工学部, 助手 (50233599)
辻 正一 岩手大学, 工学部, 教授 (10197676)
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Keywords | 内燃機関 / 火花点火機関 / 2サイクルエンジン / 含水メタノール / 代替燃料 / 圧縮比 / 点火時期 / 燃焼安定性 |
Research Abstract |
前年度はメタノール燃料を用いたときの圧縮比の影響を見るために、空気過剰率、負荷、回転数を一定とし、圧縮比を変化させ、含水率を0〜15%に変化させて運転を行った。その結果、含水率5%程度のメタノール燃料の熱効率が最もよくなった。しかし、メタノールを含水化することによって発熱量が変化し、燃焼速度や着火性などの燃焼特性が純メタノールと異なってくると考えられるので本年度はエンジンの点火タイミングを変化させて、空気過剰率、圧縮比、含水率との関係を調べた。また、本年度は回転数を2200rpm一定、吸気比0.4一定とし、含水率は0〜30%で変化させた。 本実験で用いていたエンジンは通常状態で圧縮比(ε=5.8)、点火時期16度になっている。この条件で、点火時期を一定にして運転した場合、含水率を増加させていくと、それにつれて出力が低下していくが、最適点火時期(MBT)で運転すると含水率30%程度まではあまり出力低下が見られず、特に過濃混合気側ではほとんど出力低下なしに運転することができる。この最適点火時期については、メタノールは、ガソリンよりも燃焼速度が大きいために最適点火時期(MBT)は、ガソリンよりも上死点側(遅角)になる。メタノールに水を加えることにより、発熱量や、燃焼速度が減少しMBTは進角側に移行する。 また圧縮比については、通常圧縮比の他に6.15と6.61のものについて調べた。圧縮比を上げることにより理論的にも熱効率を上げることができるが、実際にも10%程度の熱効率および出力の増加があった。しかし、その増加のしかたは一様ではなく、希薄混合気側で含水率が増加するにつれて、高圧縮比の方で出力が急激に低下する傾向を示した。MBTは圧縮比を上げるにつれて進角させる必要があり、希薄混合気側でこの傾向が大きい。
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[Publications] 小野寺 英輝,吉田 幸之助 藤田 尚毅,辻 正一,紀野 広樹: "小形2サイクルエンジン性能に及ぼすメタノール燃料の影響(燃料噴射の場合)" (社)自動車技術会・学生自動車研究会 研究発表会講演前刷集. 21-22 (1992)