1993 Fiscal Year Annual Research Report
静的崩壊熱除去系へのヒートパイプの適用に関する基礎研究
Project/Area Number |
03650169
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Research Institution | IBARAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
川又 正昭 茨城大学, 工学部, 助手 (70007631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 芳三 茨城大学, 工学部, 教授 (10194408)
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Keywords | ヒートパイプ / サーモサイフォン / 沸騰 / 凝縮 / 崩壊熱 |
Research Abstract |
本年度は昨年度までに取得した加熱部、断熱部および冷却部の計測データの解析を行なった。また冷却部の熱伝達に関しては実験を追加した。その結果以下の知見を得ることが出来た。(1)加熱部の沸騰熱伝達に関して、昨年度までに提案した熱伝達相関式はパイプ内の圧力が1bar以上の場合は他の研究者の実験データも十分な精度で予測できるが、その圧力以下の場合、熱伝達を過小評価することが分った。低圧では気泡が大きくなり、その気泡の運動による熱伝達促進効果が提案した相関式には十分に考慮去れていないためであるとの結論を得た。広い圧力範囲で適用可能な相関式を得るためには、気泡のミクロ的な挙動、具体的には局所的なボイド率の計測を行なって、気泡の挙動を考慮した妥当な物理モデルを作成する必要がある。(2)断熱部の壁温について、冷却部で過冷却された流下液膜による影響を調べるため、物理モデルを作成し解析を行なった。その結果、液膜の温度は冷却部の冷却水温度の影響を強く受け、その液膜温度が断熱部壁温を飽和温度より大きい場合で10%以上低くすることが分った。また、代表温度としてはできるだけ加熱部に近い壁面での温度を使用すべきとの結論を得た。(3)冷却部の熱伝達は、伝熱量が小さい時と断熱部が非常に長く加熱部と冷却部の距離が長い場合以外は層流膜状凝縮熱伝達とはかなり異なり、加熱部からエントレインされる液滴の再付着による液膜の増加の効果が大きいことが分った。またこの液滴の効果は、気液界面の乱れや液膜流の乱れの効果に比べはるかに大きいことが示された。従って、伝熱量が大きい崩壊熱の除熱にヒートパイプを活用するには、この液滴の効果の考慮が不可欠であることが分った。 また、3年間の研究内容をまとめ成果報告書をまとめた。
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Research Products
(1 results)