1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650172
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石塚 悟 東京大学, 工学部, 助教授 (70129162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 敏右 東京大学, 工学部, 教授 (70007615)
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Keywords | 火炎伝播 / 回転流 / 渦 / ボルテックス・バ-ステイング / 内燃機関 / 渦型燃焼器 |
Research Abstract |
本年度は、研究実施計画書に従い、以下の実験を行った。 まず、段階的に強さの異なる渦流れが得られるガラス製の渦型燃焼器を製作し、購入した熱線風速計を用いてこの渦型燃焼器内における流れの回転の強さや大きさ、軸方向速度などを予備的に測定した。その結果、燃焼器内には、設計通り、軸方向に回転の減衰する回転流場が形成されていることが確かめられた。 次に、この燃焼器において、火炎伝ぱ可能な燃料濃度範囲・速度範囲を測定した。その結果、火炎が回転流中で高速伝播できる条件として、ある限界の回転速度が存在することが明らかになった。つまり、回転による遠心力がある大きさ以上となると、燃焼で生じた高温の(したがって密度の小さな)燃焼ガスが未燃混合気の渦芯中に強制的に引き込まれ、その結果、火炎速度が著しく増大する事実が明らかになった(第13回燃焼の流体力学と化学国際会議、名古屋、平成3年7月、にて報告)。この限界回転速度に関しては、今後実験を重ね、一般の場合に適用できるような定式化をはかる予定である。 また、伝播する火炎の外観を35ミリカメラで観察・記録したところ、火炎が秒速10m程度の非常に高速で伝播するようになると、火炎面が変形し、且つ、その伝播が振動的になり、回転による火炎伝播の高速化が妨げられる現象が起きることが明かとなった。これに関しては、現象が高速・複雑なため、高速度カメラで撮影してその様子を調べた。その結果、いわゆる、ヘルムホルツ型の低周波振動燃焼が起きている可能性が示唆されたが、詳細は検討中である。 なお、これに平行して、回転流中を高速で伝播する火炎の空気力学的構造に関しても測定を行い、その一部を、第24回国際燃焼シンポジウムで発表すべく投稿中である。
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[Publications] Ishizuka,S.and Hirano,T.: "Behavior of Propagating Flames in a Rotating Flow Field" Abstracts and Informations of 13th International Colloquium on Dynamics of Explosions and Reactive Systems,July 28ーAugust 2,1991,Nagoya.141 (1991)
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[Publications] Ishizuka,S.: "VortexーInduced Flame Propagation" Book of Abstracts,XIth International Workshop on Mathematical Methods in Combustion. 58-60 (1991)
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[Publications] Ishizuka,S.and Hirano,T.: "Aerodynamic Structure of the Propagating Flame in a'Vortex Flow" submitted to the 24th International Symposium on Combustion,July,1992,Australia.(1992)