1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650176
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
服部 賢 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70016426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 修一 長岡技術科学大学, 工学部, 技官
青木 和夫 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (60115095)
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Keywords | 潜熱蓄熱 / 自然対流 / 鉛直壁への凍結 / 鉛直氷の融解 / 強制対流 |
Research Abstract |
氷ー水の間に介在する凍結潜熱を利用する氷蓄熱では、顕熱のみを利用する水蓄熱に比べて数倍高い蓄熱容量を得ることができるが、技術的には水蓄熱のようには容易でなく、氷蓄熱システムを高効率に利用するためには、氷の成長あるいは融解をともなう氷蓄熱そうの入出熱特性を明かにする必要がある。本研究では、氷蓄熱の蓄・放熱特性を明かにする上で最も基本的な幾何学形状の伝熱面における氷の凍結と融解について、数値解析と実験から以下のことを示した。 自然対流下の蓄・放熱問題では、鉛直平板の伝熱面上への水の凍結と鉛直の氷面からの融解について、境界固定法を援用した数値解析を行った。自然対流下の水の凍結・融解問題では水の流れの反転が伝熱性能に大きく影響を及ぼす。凍結過程では、流れの反転により固液界面での熱伝達率が小さくなるため、概略の凍結量を知るには熱伝導計算、いわゆるステファン問題として扱っても大きな誤差とはならない。 融解過程では熱伝達率は加熱面温度に依存する。融解水の流れの状況は加熱面温度によって異なり、6つのパターンに分類できる。加熱面温度が8℃のとき大きさのほぼ等しい、互いに逆向きの二つの循環流ができて、熱伝達率は最低になる。 強制対流下の放熱問題では、流れの中におかれた氷円柱の融解を実験的に検討した。実験には清水と共晶濃度の炭酸ナトリウム水溶液の氷を用い、主流の流速0.008〜0.056m/s、主流の温度-0.7から8℃の範囲で行った。実験範囲において氷の融解は線型熱伝達として扱えることを示し、主流流速と融解率との関係を実験式で与えた。また、共晶濃度の水溶液では伝熱特性が清水の結果と同じであることを明かにした。
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