1991 Fiscal Year Annual Research Report
レ-ザ-照射によるVLSI配線形成における伝熱解析
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03650192
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
岡田 昌志 青山学院大学, 理工学部, 教授 (60082830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 浩二 青山学院大学, 理工学部, 助手 (60229549)
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Keywords | VLSI配線 / ビアホ-ルの埋め込み / 配線の平担化 / 放射融解 / MAC法 / 伝熱解析 / 表面張力 / 自由表面 |
Research Abstract |
ビアホ-ル近傍の熱伝導解析に関しては、配線膜の材質としてAl(厚さ0.5μm)、断熱材としてSiO_2(厚さ1.0μm)そして基板としてSi(厚さ0.5μm)の三層構造物に放射半径が2μmのレ-ザ-(エキシマレ-ザを想定)を放射するという解析モデルに対して二次元熱伝導解析を行った。解析結果より、本計算領域ではパルスエネルギ-密度が2.4J/cm^2以上であれば,初期温度が25℃でもパルス幅2.6×10^<-10>秒以内にはAlは完全に融解することが分かった。さらに初期温度が高ければより小さなパルスエネルギ-密度でもAlは完全に融解した。また凝固に関しては、パルスエネルギ-密度があまり大きすぎると20×10^<-10>秒経過してもAlは完全に凝固しないことが明らかとなった。そして基板温度はパルスエネルギ-密度の大きさにかかわりなく初期温度のままであり熱的ダメ-ジは受けないことが分かった。大きな寸法でのモデル実験として、矩形くぼ地をもつ基板上での半透過性物質(氷を使用)のメタルハライドランプの放射による融解流動実験を行った。基板の温度制御には循環式恒温槽(平成3年度の購入設備備品)を使用した。実験結果より、氷は上面から融解するのとほぼ同時に、氷の光りに対する半透過性という特性から、氷を透過した放射エネルギ-の一部が基板底部の温度を上昇させることにより氷は下面からも融解していくことが観察された。そして、基板の物性値、物質の放射物性、基板下部の熱的条件、熱源の黒体温度等がこの系での融解現象に与える影響を明らかにした。今後、ビアホ-ル埋め込み・配線の平坦化のシュミレ-ションに関して、円筒容器内で表面張力の影響による凹凸がある自由表面を有する流体の内部の速度分布、圧力分布を計算するのに適しているMAC法(又は、HMAC法)を基礎にして、エネルギ-輸送を加えた計算コ-ドを開発し、ビアホ-ルの寸法・配線膜の寸法・物性等に対し、最適の照射条件を明らかにする。
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