1991 Fiscal Year Annual Research Report
二次元メニスカスの形状に基づく表面張力測定法の開発
Project/Area Number |
03650193
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
森 康彦 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90051888)
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Keywords | 表面張力 / 表面圧 / 単分子膜 / 吸着膜 / 吸収器 / ヒ-トポンプ |
Research Abstract |
液面に接しせしめた平板上に形成される二次元メニスカス上の任意の2点にレ-ザ-ビ-ムを鉛直に照射してその反射角から表面張力を算出する手法を確立し,この原理に基づいて任意の温度・圧力下で表面張力を測定するための装置を試作した。大きな曲率を持つメニスカス上で反射されたレ-ザ-ビ-ムは大きな広がり角を持ち,局所の反射角の確定を困難にする。この問題を解決するため,照射するレ-ザ-ビ-ムに位相シフトフィルタ-を通過させ,メニスカス上で反射したビ-ムがクスリ-ン上に作る像の中心に暗線を生じさせるように工夫した。これにより,反射角が十分な精度で求められるようになった。 この非接触測定法は非常温・非常圧の下での界面活性剤添加液の表面張力測定に特に有効と考えられる。その理由は,従来より界面活性剤添加液の表面張力測定に最も適しているとみなされているWilhelmy式あるいはLangmuir式のsurface balanceがその機構上、常温・常圧の下でしか使用し得ないからである。そこで,吸収式ヒ-トポンプの吸収器内と同様の温度・圧力条件下で高級アルコ-ルを添加した吸収溶液(臭化リチウム水溶液など)の表面張力を測定し得るよう,上記の光学系と組み合わせられるような耐圧測定セルを製作した。これを用い常温で水の表面張力を測定したところ,IAPSの推奨値と良く一致する値が得られ,本測定法及び試作した装置の健全性が確認できた。また臭化リチウム水溶液についても予備的な測定を開始しており,今後,オクチルアルコ-ル等を添加した場合について一速の測定を行っていく予定である。
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