1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650198
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Research Institution | Yatsushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
縄田 豊 八代工業高等専門学校, 機械電気工学科, 教授 (30037890)
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Keywords | 超音波CT / 生体温度 / コンピュータ・トモグラフィ |
Research Abstract |
1.昨年度、生体の90%を占めている水の温度分布測定の実験を行った結果、超音波CTによる温度分布測定の実証はできた。しかし水中の温度分布は対流のため変動しており厳密には定常状態ではなかった。そこで本年度は対流の生じない固体(生体ファントム)中の温度分布測定の実験を行った。 2.実験に先立ち、なるべく少ない実験点数で、つまり短時間の計測で、計算時間が短く、しかも復元精度の良いCTアルゴリズムを検討するため、分布が既知である原画像に対して計算で投影像を求め、そのデータを基に垂直方向の走査間隔と回転方向の走査間隔を変えて、逐次近似法、フーリエ変換法、フィルター補正逆投影法で画像再構成を行い、原画像との類似度を求めて復元画像の精度を比較した。その結果逐次近似法とフーリエ変換法は良好な類似度を与えたが、計算時間はフーリエ変換法が最も短かった。そこで本研究ではフーリエ変換法を用いることにした。 実験槽に水を入れ、寒天で作ったファントムを入れる。ファントム内には棒状のヒータを埋め込む。発信子と受信子間の距離は96mm、ヒータの直径は10mmである。走査数はx方向は1.5mmおきに64点、回転走査は10°おきに18回の測定を行った。全測定点数は1152点であり、全測定に約20分かかった。まずヒータを加熱していないときに測定を行い、次にヒータを加熱して測定する。得られたそれぞれの音速データをフーリエ変換法によって再構成することにより二つの音速分布像を得る。その二つの音速分布像の各点における音速差を温度差に変換して温度分布像を得ることができた。得られた温度分布像は約0.1℃の解像度であった。しかし測定面にヒータ(生体の骨に相当)が通過している場合の再構成法は、これからの課題である。
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[Publications] 縄田 豊: "温度範囲20〜50℃における純水中の音速度の測定" 八代高専紀要. 14号. 1-4 (1992)
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[Publications] 縄田 豊: "超音波CTによる純水中の温度分布測定" 八代高専紀要. 15号. 1-8 (1993)
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[Publications] 縄田 豊: "超音波CTによる純水中の温度分布測定" 第30回日本伝熱シンポジウム講演論文集. 235-237 (1993)
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[Publications] 縄田 豊: "超音波CTによる生体ファントム内の温度分布測定" 第31回日本伝熱シンポジウム講演論文集. (予定). (1994)