1991 Fiscal Year Annual Research Report
非定常動的問題の時間ステップ境界要素法解析とその応用
Project/Area Number |
03650207
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
田中 正隆 信州大学, 工学部, 教授 (40029319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 正行 信州大学, 工学部, 助手 (60207917)
松本 敏郎 信州大学, 工学部, 助教授 (10209645)
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Keywords | 動弾性力学 / 計算力学 / 境界要素法 / 非定常問題 / 構造解析 / ラプラス変換 / 波動伝幡 |
Research Abstract |
非定常動的問題に対する境界要素法としては,(1)ラプラス変換を用いる解法、(2)時間依存の基本解を用いる解法,および(3)時間微分を差分近似する時間ステップ解法がある.(1)の解法は発展の初期の段階で提案されたものであり,ラプラス逆変換を数値的に行う手数が余分にかかる短所もあるが精度の良い解が得られるという報告もあり,さらに解法の特性を検討する必要がある.(2)と(3)の解法は物理空間で時間依存解を直接求めようとするものであり,発展が期待できる解法である.現状では(2)の解法が応用の主流を占めているが,(3)の時間ステップ境界要素解析法は時間依存の物理量を直接扱うことができるという利点を持つ,本研究では非定常動的弾性問題についてこれらの解法の特徴を明らかにすることを目的として行った.まず,時間ステップ解法に関して,減衰のない系の非定常動弾性問題解析のための計算プログラムを開発し,1次元問題の例について数値計算を行い,解法の特性を明らかにした.また,減衰のない系の2次元スカラ-波動問題について,簡単な例について数値計算を行って解法の特性を調べた.一方,ラプラス変換解法に関しては,まず,正則化された境界積分方程式に基づくラプラス変換境界要素法の定式化を与えた.これに基づき動的問題を高精度に解析するための2次元動弾性問題解析用の計算プログラムを開発した.そして,厳密解の既知な簡単な問題の数値解析をいくつか行い計算精度のチェックを行った.さらに,き裂を有する平板の動的応力拡大係数の解析や異材界面き裂に対する動的応力拡大係数の解析を行った.これらの数値解析を通じて,ラプラス変換パラメ-タと解析精度の関係や,数値ラプラス逆変換手法の特質について検討を加え,ラプラス変換解法の特性を検討した.
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[Publications] 田中 正隆: "ラプラス変換を用いた非定常動弾性問題の境界素法解析" 日本機械学会ダイナミクスとデザインにおけるコンピュ-タと計算力学シンポジウム講演論文集. 910ー39(II). 81-84 (1991)
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[Publications] 田中 正隆: "正則化された境界積分方程式に基づく異材接合構造の定常動弾性解析" 日本機械学会第4回計算力学講演会講演論文集. 910ー79. 167-168 (1991)
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[Publications] 田中 正隆: "ラプラス変換境界要素による2次元非定常動弾性解析に関する考察" 境界要素法論文集. 第8巻. 69-74 (1991)
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[Publications] 田中 正隆: "異材界面き裂の動的弾性応答解析(2次元問題の検討)" 日本機械学会第69期通常総会講演会講演論文集. (1992)
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[Publications] 田中 正隆: "正則化された境界積分方程式に基づくラプラス変換境界要素法による動的応力拡大係数の解析" 日本機械学会論文集. (1992)