1992 Fiscal Year Annual Research Report
ニューラルネットワークを用いた高層建物の制振に関する研究
Project/Area Number |
03650218
|
Research Institution | TOKYO DENKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藤田 聡 東京電機大学, 工学部機械工学科, 助教授 (40143531)
|
Keywords | 制振構造 / アクティブマスダンパ / チューンドマスダンパ / 高層建物 / 地震 / 最適制御 / ニューラルネットワーク / シミューレーション |
Research Abstract |
パソコン(NECPC98DA)上にニューラルネットワークシステムを構築した。本システムは、システム同定のためのシステムニューラルネットワーク(SystemNN)と評価関数を最小とするように制御力を決定するコントロールニューラルネットワーク(ControlNN)から構成される。SystemNNは入力層6セル、中間層10セル、出力層5セルから成り、データ正規化係数2種類、結合係数初期値2種類、シグモイド温度3種類、学習係数(η:5種類、α:5種数)、計300通りの場合で学習を行った。シグモイド関数の傾きを小さくすると、精度が低下する傾向が見られるものの、他のパラメータ変化に対しては特に傾向がないとの結論を得た。本システムにおいては教師信号との誤差が最小となった。R=2.0,I=0.1,T=1.0,η=0.3,α=0.3,E=0.003545のパラメータを有するSystemNNを使用することとした。ControlNNは入力層5セル、中間層10セル、出力層5セルとし、2次形式評価関数を最小にすべく、カスケード結合された(1つのユニットは1つのSystemNNと1つのControlNNから構成される)ネットワーク内を誤差を逆伝播させ制御電圧を得る構造とした。今回、作成したシステムでは、ネットワークから得られた制御出力電圧は最適制御則を使用した場合に比べて小さく、従がって、期待した制振効果は現在のところ得られていない。現状のシステムにおいてはパソコンのメモリ上の制約等があり、ネットワークのカスケード数を20段までしか設けていないため、学習精度が仲々向上しないものと考えられる。すなわち、現段階において、より良い制振性能を実現するためにはEWS等を用いて、カスケード数を増やし、システムを構築する必要があると考えられる。
|