1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650224
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 博之 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90134642)
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Keywords | マイクロマシン / 静電モ-タ / マイクロアクチュエ-タ / マイクロマシ-ニング / 摩擦 / 可変ギャップ型モ-タ / 転がり運動 |
Research Abstract |
本研究では、半径1mmのロ-タが転がり運動をする構造の、静電マイクロモ-タを開発した。可動部と固定部の摺動をなくし、ステ-タにつけた円錐状のくぼみの内側で円錐形のロ-タが転がり運動をする構造を工夫することにより、マイクロモ-タの最大の問題である摩擦を最小限に抑えることができた。ステ-タのくぼみの内面には、シリコン酸化物の絶縁膜で被われた扇形駆動電極を、放射状に複数枚配置する。くぼみの底部には露出した金の接地電極があり、ロ-タを接地電位に保つ。駆動電極の一枚に電圧を加えると、ロ-タは静電力に引かれてステ-タのくぼみの内面を転がる。電圧を加える駆動電極を次々に切り替えることで、回転を持続できる。 (1)構造設計:駆動電極に加える電圧が一周した時、ロ-タは見かけ上1回転のみそすり運動(公転)をするが、実際にはステ-タとロ-タの円周の差だけわずかに自転する。自転と公転の比は、(tanθsーtanθr)/tanθs[θs:ステ-タの頂角,θr:ロ-タの頂角]という式で与えられる。この比を種々に変えたモデルを作り実験的に検討した結果、(1)ΘrがΘsに近い方が回転し易く、トルクも大きいこと、(2)しかし、あまりに両者が近すぎるとロ-タの弾性変形により転がり運動を生じなくなること、の2点が明らかになった。 (2)製作プロセスと実験結果:まずステ-タ側は、ガラス基板を120℃に暖め先が頂角6度の円錐状の鉄棒を押し込みくぼみを付けた。次に全面を導体膜でおおい、フォトリングラフィとエッチングで駆動電極と配線パッドの形にした。更に、シリコン酸化物の絶縁膜を付け、最後に底部の接地電極を形成した。ロ-タ(半径1mm)は、アルミ箔を円錐形のパンチで打ち抜いて作った。ロ-タは30Vから回りはじめ、50〜70Vの時よく回転する。60Vの電圧で、180rpm程度の周波数が得られた。
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[Publications] 坂田 稔,畑澤 康善,藤田 博之: "静電歳差モ-タ(ESTOM)のマクロモデル" 平成元年電気学会全国大会講演論文集. 6-193-194 (1989)
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[Publications] 藤田 博之,面高 秋人: "静電歳差モ-タ(ESTOM)の駆動部モデル" 平成2年電気学会全国大会講演論文集. 7-149 (1990)
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[Publications] M.Sakata,Y.Hatazawa,A.Omodaka,T.Kudoh,H.Fujita: "An Electrostatic Top Motor and its Characteristics" Sensors and Actuators. A21ーA23. 168-172 (1990)
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[Publications] 原島 文雄,江刺 正喜,藤田 博之: "マイクロ知能化運動システム" 日刊工業新聞社, 264 (1991)