1992 Fiscal Year Annual Research Report
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03650230
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Research Institution | IBARAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
奈良 宏一 茨城大学, 工学部, 教授 (80113710)
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Keywords | 遺伝アルゴリズム / 遺伝的アルゴリズム / 単純遺伝アルゴリズム / 配電系統 / 損失最小化 / 配電損失最小化 / 負荷切替 / シミュレーテッドアニーリング |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、配電損失最小化問題に適するように遺伝アルゴリズムの改良を試み、その結果の整理を行った。 昨年度までに、(1)問題の大きさや種類によって良い結果を与える交叉率や突然変異率は異なる、(2)ストリング構造や適合関数形、初期ストリングの適合関数値の平均値などの相違による結果への効果を小さいことなどがわかっている。そこで、本年度は、(1)適合関数値の良いもの同志の交叉、(2)交叉点数の複数化、(3)バースト的な突然変異、(4)実行不能なストリングの発生を減らす、(5)入力開放スイッチパターンの複数化、(6)適合関数値の分布の均等化について、これらの改良が結果へどのように影響するかについて、理論的に結果を推測したうえで、計算実験を行い、その結果を整理した。これらの計算実験は、(1)〜(6)の改良単独で、または幾つかの改良の組み合わせについて行われた。その結果、シミュレーテッドアニーリング法と同等の良い結果が得られたのは、初期ストリング中に良い(損失が小さい系統構成の)遺伝子を持っている場合に限られた。すなわち、上記(5)以外の改良では顕著な効果がみられないことがわかった。言葉を変えれば、大規模配電損失最小化問題に対しては、あらかじめストリング中に良いスキーマを組み込むことが最も効果的であるという結論が得られた。 以上から、本年度の研究までで、配電損失最小化問題への遺伝アルゴリズムの適用方法を確立し、さらに、大規模問題に対しても精度良い解を得るための条件を導き出すことができ、初期の目的を達成した。なお、本研究で開発された手法を実用に供するためには、エキスパートシステムなどを用いて組み込むベきスキーマを選択するための追加的なアルゴリズムを付加しなければならない。 以上の研究成果は、裏面に示すような論文として公表されている。
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[Publications] K.Nara, T.Ishihara, A.Shiose, M.Kitagawa: "Implementation of Genetic Algorithm for Distribution Systems Loss Minimum Re-configuration" IEEE Trans.PWRS. Vol.7. 1044-1051 (1992)
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[Publications] K.Nara, M.Kitagawa, K.Ohtaka: "Application of Genetic Algorithm to Distribution Systems Optimization Problem" Proceedings of CEMIT'92, Tokyo. 491-494 (1992)
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[Publications] K.Nara M.Kitagawa: "Distribution Systems Copper and Iron Loss Minimization by Genetic Algorithm" Proceedings of ANNPS'93, Yokohama. (1993)
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[Publications] K.Nara M.Kitagawa: "A Study for Applying Genetic Algorithm to Large Scale Power Systems Planning" Proceedings of 11th PSCC, Avignon. (1993)
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[Publications] 奈良 宏一・北川 稔 大高 光司: "改良遺伝アルゴリズムによる配電損失最小化" 電気学会電力技術研究会資料 PE-92-91. (1992)