1992 Fiscal Year Annual Research Report
磁界の強さを変数とする有限要素法と境界要素法の併用による三次元渦電流場の解析
Project/Area Number |
03650240
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小貫 天 早稲田大学, 理工学部, 教授 (80063428)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石山 敦士 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00130865)
|
Keywords | 有限要素法 / 境界要素法 / 渦電流場 / 三次元解析 / 磁界の強さ / 磁気スカラポテンシャル / 辺要素 |
Research Abstract |
本研究は電気機器設計に対する応用を前提とした三次元電磁界の有力な解析手法の開発を目指しており、特に、今まで長期にわたり担当者が研究開発してきた有限要素・境界要素併用法の三次元化と渦電流問題への拡張が具体的な目標である。三次元解析では未知数の個数が急増するため、要素分割数を減らし計算機容量を節約せざるをえないのが現状である。従って解析精度を落とすことなく、未知数の個数を減らす工夫が大変重要となる。本研究の対象である有限要素・境界要素併用法は、広大な空気領域を境界法である境界要素法で定式化するため、未知数の少なさの点で大変有利である。この併用法の長所を更にのばす目的で、磁界の強さHと磁気スカラーポテンシャルφを考察物理量とするH-φ法を我々は提案している。併用H-φ法の安定化には様々なバリエーションが考えられ、未知数減少を最優先としたスカラポテンシャルφを極力多用する定式化や、複雑な励磁電流分布への対応を考慮したベクトルHによる定式化等に現時点で成功しており、実測値が公表されている数種の三次元渦電流場検証モデルの解析を行った結果その有効性を確認できた。次に有限要素法領域と境界要素法領域の接合に有利な辺要素を導入した定式化もに成功し、同検証モデルの解析を行い、高精度な計算結果を得ている。また、併用法の定式化に辺要素を導入した場合、両手法の変数にH、φ以下の様々な物理量を採用することができ、これらの解析精度に対する影響を現在、検討中である。また、このような基礎理論の開発と並行して、三次元電磁界解析の実際の電気機器への応用(磁気浮上システムにおける永久磁石の特性解析、角箇型リニア誘導機の励磁電流最適化など)も行った。次年度は更に実機(リニア誘導機における縁効果や二次導体のスリットのもたらす影響)の解析を行っていく予定である。以上、本年度は予定通り研究を進めることができた。
|