1991 Fiscal Year Annual Research Report
GaAs/AlGaAs二重量子井戸構造におけるトンネル効果の研究
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03650257
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
澤木 宣彦 名古屋大学, 工学部, 教授 (70023330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 英雄 名古屋大学, 工学部, 助手 (00195942)
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Keywords | 量子井戸 / 二次元電子 / ホットエレクトロン / トンネル効果 / 実空間遷移 / フォノン散乱 / フォトルミネッセンス / 薄膜多層構造 |
Research Abstract |
MBE法並びにMOVPE法により作製したGaAs/AlGaAs二重量子井戸構造に電極をもうけヘテロ接合界面に沿う方向に印加した電界により励起された二次元ホットエレクトロンのトランスポ-トを測定し、トンネル効果による実空間遷移が電子移動度に及ぼす影響を調べ、LOフォノンの効果を評価した。エネルギ-損失率の電子温度依存性からホットエレクトロンのエネルギ-緩和時間は主としてLOフォノン散乱により決まることを明らかにした。また、同構造にヘテロ界面に垂直に電界を印加し面内の電気伝導度の電界依存性を調べ、フォノンによると思われる複数の変曲点を見いだした。これは、二重量子井戸構造に由来する二つの量子準位の共鳴効果のほか、薄膜多層構造であることによるいくつかの光学フォノンの寄与によるものと考えられた。次いで、フェムト秒パルス光源(CPM色素レ-ザ)を用いたフォトルミネッセンス強度相関法により、量子井戸間のトンネル遷移による電子の寿命の変化を測定し、トンネル遷移の速度が、ポテンシャル障壁層の厚さのみならず、二つの量子準位エネルギ-差に強く依存することを見いだした。ヘテロ界面に垂直な方向に印加した電界によりエネルギ-差を変化させ電子の寿命を測定したところ、量子準位の共鳴効果、LOフォノンを介した共鳴効果を見いだすことが出来た。関与するフォノンとしては、薄膜多層構造に由来する複数のフォノンが考えられるが、これまでの実験ではフォノンの種類を特定するにいたっていない。今後、測定精度を上げることにより種類の特定を試みたい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] E.OKUNO: "Hot Electron and Real Space Transfer in Double Quantum Well Structures" Jpn.J.Appl.Phys.30. 1373-1377 (1991)
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[Publications] E.OKUNO: "Real Space Transfer and Modulation of Electron Mobility in GaAs/AlGaAs Double Quantum Well Structures" Work Book of 5th Intern.Conf.Mod.Semiconductor Structure. 273-276 (1991)
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[Publications] K.KUROYANAGI: "Phononーassisted Tunneling in a Double Quantum Well Structure" Abstract of 7th Intern.Conf.Hot Carriers in Semiconductors. 86 (1991)