1991 Fiscal Year Annual Research Report
スペクトル拡散多元接続通信における耐干渉能力を持つ同期方式に関する研究
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03650283
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
佐藤 正志 大阪産業大学, 工学部, 助教授 (70089879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 彰隆 大阪産業大学, 工学部, 技術員
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Keywords | スペクトル拡散通信 / 多元接続 / 同期方式 / 耐干渉特性 |
Research Abstract |
スペクトル拡散通信の拡散系列としてシステム内の各ユ-ザに異なる系列を割当て,同時に多数のユ-ザが同一の周波数帯を共用して通信を行うスペクトル拡散多元接続(SSMA)方式においては,システム内の他のユ-ザの送信波(以下、干渉波という)が,システムの受信特性に種々の影響を与える。特に同期追跡系においては干渉波の存在により残留位相誤差を生じ,結果的に処理利得の劣化を生じる。 通常,同期追跡系としては,遅延同期ル-プ(DLL)を用いることが多い。干渉波が存在しない場合はDLLの位相比較特性(S曲線)は,位相誤差がOの点で誤差電圧がOとなり,残留誤差もOとなる。ところが,多元接続時には干渉波が存在するため残留位相誤差が生じる。そこで,本研究では,これを零にすることが出来る二重遅延同期ル-プ(Dual DLL)を提案した。この回路には2つの同期ル-プが含まれており,一方で残留位相誤差を検出し,他方でこれを零とするものである。この回路について以下の項目について研究を行った. (1)本回路の等価モデルを導出し,このモデルをもとに,同期引き込み特性,雑音特性および平均同期はずれ時間特性についての理論解析を行うとともに,計算機シミュレ-ションを行い,理論解析の確認を行った。以上の結果は別項の研究発表の欄に示すように電子情報通信学会論文誌に発表を行った. (2)本方式の実験回路を試作し,上記特性の一部についての測定を行った。さらに,残留位相誤差は等価的に位相変調成分と見なすことが出来るので,設備備品として購入したモジュレ-ションアナライザを用いて,位相変調特性を測定することにより,上記特性の測定をまもなく終了する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 鈴木 信司: "A new delay lock loop capable of rejecting the interference due to the other users in SSMA" 電子情報通信学会英文論文誌. E74ーB. 1123-1129 (1991)
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[Publications] 河口 信義: "伝搬路モデルをもとにしたLoranーCパルス波形歪と伝搬時間遅延量の検討" 電子情報通信学会論文誌B. J74ーB. 546-554 (1991)
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[Publications] 佐藤 正志: "同期捕捉判定回路の最適化に関する検討" 電子情報通信学会技術研究報告. SST91. 33-38 (1991)
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[Publications] 佐藤 正志: "他チャンネル干渉除去方式を用いた並列伝送SS通信" 大阪産業大学産業研究所所報. 14. 121-127 (1991)