1991 Fiscal Year Annual Research Report
言語的概念と数値的概念とによる画像の知識表現法について
Project/Area Number |
03650295
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
長橋 宏 東京工業大学, 工学部, 助教授 (20143084)
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Keywords | レコ-ドオブジェクト / 画像処理メソッド / 画像処理エキスパ-トシステム / 概念的拘束条件 / 仮説推論システム / 顔画像処理 |
Research Abstract |
1.既に作成したリスプ環境における画像処理システム上で,画像とその特徴概念をオブジェクトとして処理するために,従来のリスプで用いられているデ-タ型の他に,全ての数値デ-タが識別子(記号)で対応づけられるレコ-ド型という新たなデ-タ構造を導入した。そして,大量の数値デ-タからなる画像や特徴をレコ-ド型のデ-タ構造を持つクラスとして宣言した。その結果,多数の画像処理関数や数値デ-タアクセス関数をそれぞれのクラスのメソッドとして体系化することができた。 2.画像処理を抑御する上で必要となるレコ-ドクラス間の関係を画像処理メソッドとその適用条件として記述したネットワ-クを作成し,目標クラスと対象画像を与えることで必要な画像処理を実行する画像処理エキスパ-トシステムを作成した。 3.対象モデルに関する複数の弱い拘束条件からボトムアップ的に画像処理を行い,トップダウン的にモデルの仮説生成を行う推論システムを作成した。このシステムは位置関係と明るさに関する拘束条件および推論された仮説から未推論のモデルの位置および濃度に関する算術的拘束条件を動的に決定し,その制約条件を満たす領域をモデルの仮説として生成する。さらに,モデルの形状拘束が与えられている場合には,得られた仮説領域に対して,形状拘束条件に適合するように領域の併合や分割を行う整形処理が自動的に実行される。この推論システムは,画像処理エキスパ-トシステムに対して必要な目標クラスの画像あるいは特徴オブジェクトの生成を依頼する。 4.作成した画像処理エキスパ-トおよび推論システムの評価実験を行った。モデルとしては,頭髪部,目,鼻,口の部分をサブモデルとする顔モデルを考え,それぞれのモデル間の位置的な関係と明るさに関する拘束条件,また形状に関する大まかな概念的拘束条件を与えた。そして,車内のフロント側から撮影した画像中の顔を抽出する実験を行った。実験の結果,正しく顔の仮説生成が行われた。このシステムでは,概念的に関係するすべてのモデルの仮説生成も自動的に行われるため,モデルとして指定したどの部分の領域同定も同時に行われる。
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[Publications] Hiroshi NAGAHASHI: "Knowledge Representation on an Object Oriented Image Processing System" Proceedings,First KoreaーJapan Joint Conference Computer Vision. 396-401 (1991)
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[Publications] Tomoharu NAGAO: "Automatic Construction of Image Transformation Processes Using Feature Selection Network" Proceedings,First KoreaーJapan Joint Conference on Computer Vision. 119-125 (1991)
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[Publications] Takeshi AGUI: "Recognition of Handwritten KATAKANA in a Frame Using Moment Invariants Bosed on Neural Network" International Joint Conference on Neural Network. 1. 659-664 (1991)
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[Publications] 長橋 宏: "線画における3次元特徴抽出に関する研究" 電子情報通信学会春季全国大会講演論文集.
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[Publications] 長橋 宏: "言語情報による物体の位置決定" 電子情報通信学会春季全国大会講演論文集.