1991 Fiscal Year Annual Research Report
静的スケジュ-リング・ス-パスカラ・コンピュ-タの並列性抽出に関する研究
Project/Area Number |
03650299
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
曽和 将容 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (00008567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 隆也 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (40202759)
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Keywords | ス-パスカラプロセッサ / 細粒度並列処理 / スケジュ-リング / 計算機ア-キテクチャ |
Research Abstract |
プログラム構築のための基礎技術とア-キテクチャの確立をめざして,コンパイラの構築方法,パイプラインの構成法,キャッシュメモリの構成法,プログラミングスタイルの研究を行った.コンパイラの構築方法は基本方針が確立され,それとともに新しいレジスタ割付法による並列度の増加方法,基本ブロックを越えたコ-ド調整による並列性の抽出方法を提案し,これにあったスケジュ-リング方法を提案した.パイプラインは8段のものを構成したが,各ステ-ジを詳細に検討した結果8段よりも4段のほうが良く,また,命令の従属関係を処理する手段であるト-クン送受では,命令の種類毎に送受のステ-ジを変えるとともにこれに対するト-クンカウンタの増設が提案された.これらの方法により約18〜24パ-セントの並列性の増加と速度向上がなされることが,シミュレ-ションにより示された.キャッシュ変式については,単なるキャッシュメモリより,キャッシュメモリの内容をプログラムによって制御する“明示化キャッシュメモリシステム"のほうが柔軟性があり先行制御やコンパイル時のプログラムの振舞いの解析が可能であるので適していることが示された.プログラミングスタイルについては,基本ブロックを大きくするために小さなル-プやプロシジャを少なくすること,並列性を抽出し易くするために命令間の従属関係を少さくすること,および従属関係が時間的に離れていることが必要であることが明確となった.しかし,これをプログラマの負担にならないようにプログラミングスタイルとして確立するにはなお一層の研究が必要である.これらの結果に基づいて現在コンパイラを構築中である.
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[Publications] 曽和 将容: "ス-パ-スカラコンピュ-タへの道;パラレルノイマンコンピュ-タ" bit. Vol.23. 227-232 (1991)
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[Publications] 鈴木 知美: "PNス-パ-スカラプロセッサ用コンパイラの構築" 情報処理学会計算機ア-キテクチャ研究会. 92ー1. 1-6 (1992)
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[Publications] 伊藤 広明: "細粒度並列処理プロセッサにおける共有記憶ユニットへのアクセス競合に関する検討" 電子情報通信学会論文誌. J74ーDー1. 781-783 (1991)
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[Publications] 李 鼎超: "PNス-パ-スカラプロセッサ用プログラムの構築法" 電子情報通信学会計算機システム研究会. 91ー37. 23-28 (1991)
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[Publications] 有田 隆也: "複数命令流をもつ機能分割型ス-パ-スカラプロセッサのシュミレ-ション評価" 電子情報通信学会論文誌. J74ーDー1. 635-643 (1991)
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[Publications] 加藤 正明: "長命令語(LIW)コンピュ-タにおける命令実行遅延方式" 電子情報通信学会論文誌. J74ーDー1. 613-622 (1991)
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[Publications] 曽和 将容: "コンピュ-タ基礎工学" 照晃堂, 224 (1992)