1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650314
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
野村 康雄 関西大学, 工学部, 教授 (00103391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北尾 匡史 関西大学, 工学部, 助手 (10153090)
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Keywords | 直接放射形スピーカシステム / 非線形最適化手法 / 設計領域 / 回帰分析 / 製造コスト |
Research Abstract |
本年度は主に、直接放射形スピーカシステムの設計領域の検討を行った。実際にスピーカシステムを生産する場合、パラメータ値には“ばらつき"があるため、音圧周波数特性等が設計目標からずれてくる。そこで、この“ばらつき"を考慮し、設計値を求めるのではなく、音圧周波特性等に許容範囲を設け、その許容範囲内に入るようなパラメータ値の設計領域を回帰分析等により求めるプログラムの開発を行った。このプログラムの概要を次に述べる。 まず、設計目標の平担で低域までのびた音圧周波数特性を示す直接放射形スピーカシステムのパラメータ値を非線形最適化手法により求める。次に、この音圧周波数特性に許容範囲を設け、ワーストケースデザインによりその許容範囲に入るようなパラメータ値の設計領域を求める。各パラメータ値がこの設計領域内であれば、無限値のシステムを製造しても音圧周波数特性は全て許容範囲内に入っている。つまり歩留まりが100%である。しかし、設計領域が狭いため製造コストが高価になることが考えられる。実際の生産ではシステムを無限個製造することはないので、歩留まりを100%から落とすことにより、より広い設計領域を得れば製造コストも低下する。次に、先に求めた設計領域を各パラメータの音圧特性に対する感度を考慮して拡大していく。拡大するごとに、その拡大された設計領域内で乱数を発生させて最大音圧値、最小音圧値を求めて、その回帰直線を導出する。この回帰直線に対して、線形回帰分析を行い不良品発生個数を調べ、それらの求めるべき設計領域を得る。 パラメータ数が11個のシステムについては開発済みであるが、より自由度を増したパラメータ数が20個のシステムのプログラムは動作確認中である。
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