1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650317
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹内 正男 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (80108472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
目黒 敏靖 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (50182150)
山之内 和彦 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (00006230)
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Keywords | 静磁波 / 共振子 / フィルタ / 金属ストリップ / エネルギ-閉込め |
Research Abstract |
最近、強磁性共鳴半値幅の極めて小さい低損失YIGエピタキシャル膜が容易に得られるようになったことから、磁性薄膜中を伝搬する静磁波(Magnetostatic Wave:MSW)を信号処理機能素子に応用する研究が盛んに行われている。特にMSW共振子はプレ-ナ構造で量産性にとみ、特性の制御やフィルタ構成も容易であることから、Sバンド以上の周波数帯の掃引発振器や低損失フィルタへの実用が期待されている。本研究は新しい構成のエネルギ-閉込め静磁波共振子及びフィルタを実現することを目的として行われたもので、以下のような知見と成果が得られた。 1.端面反射によらない完全反射を利用するエネルギ-閉込め共振子の新しい構成法を追求するために、まず、伝搬路に金属ストリップで周期的に摂動を与えた場合の静磁体積前進波の分散関係を等価回路解析によって検討した。1次の回路パラメ-タである金属ストリップの反射率や位相を構造パラメ-タを種々変えて実験的に明らかにした。これらの結果はこの種の共振子の設計の汎用パラメ-タとして有用である。 2.1.の結果を基に、新しい構造の共振子フィルタを考案した。すなわち、金属ストリップアレイで共振空胴を構成し、共振空胴の中に、入力マイクロストリップと出力マイクロストリップを体積前進波(MSFVW)の伝搬方向に対して直角(横)方向に配列した新しい構造の共振子フィルタ構成法を考案し、試作実験を行った。その結果、従来の入出力ストリップを縦方向に配列する構成法に比べて大きな帯域外減衰量とスプリス共振の少ない良好な共振特性が比較的容易な構造で得られることが明らかにされた。これらの成果は1部電子情報通信学会の春季大会で発表した。今後は、残された課題を明らかにし、学会論文に成果を投稿する予定である。
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