1991 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン基板上の複合圧電ダイアフラム構造を用いた溶液系物性値測定用ラム波センサ
Project/Area Number |
03650319
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山口 正恆 千葉大学, 工学部, 教授 (00009664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 研也 千葉大学, 工学部, 助教授 (90134353)
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Keywords | センサ / ラム波 / 超音波 / 液体 / 質量密度 / ダイアフラム / 酸化亜鉛 / シリコン |
Research Abstract |
本研究は、酸化亜鉛/パイレックスガラス複合薄膜構造を伝搬する弾性波(ラム波)を用いて、溶液系物性値測定用センサを実現することを目的としている。 先ず、理論解析においては、酸化亜鉛/パイレックスガラス複合ダイアフラム構造について理論解析し、その電気機械結合係数、付加された溶液の弾性波速度とラム波伝搬速度の関係を検討した。その結果、複合薄膜の膜厚を非常に薄くした場合、ラム波の伝搬速度が液体の質量密度に比例することを見い出した。また、液体の付加によってラム波の実効的な電気機械結合係数が変化することを見いだし、現在その振舞いを詳しく調べている。今後、更にラム波の温度安定性を解析し、センサ応用に適したデバイス構造を決定する予定である。 一方、複合ダイアフラムの作製プロセスを実験的に検討し、異方性エッチングやスパッタの条件等を検討し、大面積で歪の少ない複合ダイアフラムを作製すると共に、その上にラム波励振用のすだれ変換子を形成するプロセスを確立した。このプロセスに従って、実際にラム波デバイスの試作を行い、ほぼ理論解析に対応したデバイス特性を得ている。 また、現有のマイクロコンピュ-タを利用して、デバイス特性のウィグナ-分布を3次元表示するシステムを試作し、実際の弾性波デバイスの特性測定に適用し、その有効性を示している。 今後、デバイスの作製プロセスを検討し、特性の改善を図ると共に、シリコンウェハに液溜と液体の導入及び排出経路を作製させた一体構造型の液体センサの実現を試みる。そして、測定結果を多面的に解析し、その結果からラム波の各モ-ドの応答を抽出して観測することにより、溶液系の物性値を換算するセンサシステムの実現を計る予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 小池 将一,他: "液体センサ用ZnO/Al構造ラム波デバイス" 電気学会電子回路研究会資料 ECTー91ー9. 27-33 (1991)
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[Publications] 塩川 淳一,他: "弾性波デバイス用周波数・遅延時間特性評価ソフトウェアの開発" 日本学術振興会第150委員会第28回研究会資料. 1-6 (1991)
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[Publications] 小池 将一,他: "液体/ガスセンサ用ZnO薄膜/Al箔構造ラム波デバイス" 日本学術振興会第150委員会第28回研究会資料. 7-12 (1991)
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[Publications] 橋本 研也,他: "複合薄膜構造を伝搬するラム波のLーリー・リッツ法解析" 電気学会機能EMデバイス調査専門委員会資料 No.2ー6. (1991)
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[Publications] 小池 将一,他: "ZnO薄膜/Al箔構造ラム波デバイスを用いた液体センサ" 日本音響学会春季研究会講演論文集 1ー7ー24. (1992)
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[Publications] 斎藤 太,他: "Si基板上のZnO/パイレックスガラス構造を用いたラム波デバイスの試作" 日本音響学会春季研究会講演論文集 2ーPー18. (1992)
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[Publications] 田中 周,他: "Si基板上のZnO/パイレックスガラス複合薄膜構造ラム波デバイス" 電子情報通信学会超音波研究会資料 VS91ー89. (1992)