1992 Fiscal Year Annual Research Report
内部増幅機能を備えたアモルファスシリコン光検出器の基礎研究
Project/Area Number |
03650325
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡本 博明 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (90144443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 公則 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (80228486)
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Keywords | アモルファスシリコン / 光電流増倍 / 高感度光センサー |
Research Abstract |
本研究では、透明導電膜付ガラス基板上に、シラン(SiH_4)、メタン(CH_4)、エチレン(C_2H_4)、アンモニア(NH_3)などの原料ガスと不純物ガス(B_2H_6,PH_3)の混合ガスより、多室プラズマCVD法によってPa-Sic/i(光電流活性層)/n微結晶Siの各層を順次形成して作製したアモルファスシリコン(a-Si)光検出器における光電流増倍機構に関する一連の基礎研究を行なった。その成果を以下に示す。 1)素子構造依存性:光電変換層としてa-Si(ギャップ1.8eV)/a-SiN(ギャップ2.4ev)/a-Siと光伝導a-Si中の、さまざまな位置に広いギャップを有する薄いバリア層(50〜500A)を挿入したヘテロ接合素子において、光電流増倍特性を観測した。その結果、増倍率がa-SiN/a-Si側での光キャリア生成率と強い相関があることが判明した。このことは、a-SiN/a-Si界面への正孔電荷蓄積が、電流幅倍のための必要条件であることを示している。 2)光電流応答:パルス光照射のもとでの光電流の立上り特性を、10ns〜1Sといった広い時間領域で測定した。光電流応答波形は、極めて速い時間(〜100ns)および照射光強度に依存した1ms以上の時間領域に、2段階の立上がりを示すことが分った。ここで、第2の立上がりが定常状態で観測される光電流値を与えている。これらの実験事実は、光電流増倍機構が(i)a-SiN/a-Si界面への正孔電荷蓄積、(ii)正孔電荷による電場分布の再編成、(iii)a-SiNバリア層中の電場増大、から構成されていることを示唆している。 3)光電流増倍機構解析を通した素子構造の最適化設計:以上の実験結果より、光電流増倍は、a-Si/a-SiN/a-Siにおけるトンネリング注入によるものであることが明らかとなった。この知見のもとで、素子構造の最適化を行ない、光電流増倍率70、応答時間約500NSの特性を得ることに成功した。
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[Publications] 吉見 雅士: "Tumeling Assisted Photocurient Multiplication in a S:based p-i/s:Nx/i-n structure Junction" MRS Symposium Proceeding. 192. 453-458 (1990)
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[Publications] 吉見 雅士: "Obsercation of Tunneling Assisted Photocumeut Multiplication in a-siN/a-si Heterojunction" J.Nn-Cryst.Solids. 137-138. 1283-1286 (1991)
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[Publications] 吉見 雅士: "Phto current Multiplication in Hydrogeuated Amorphous Silicon Basis p-i-n Junction Interted an a-s:N Layer" J.Appl.phys.72. 3186-3193 (1992)