1992 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性薄膜における垂直ブロッホラインの高密度集積に関する研究
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03650328
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
浅田 裕法 九州大学, 工学部, 助手 (70201887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 公秀 九州大学, 工学部, 助教授 (80165919)
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Keywords | 磁性記憶素子 / ブロッホラインメモリ / 垂直ブロッホライン / 磁壁 / バブル磁区 |
Research Abstract |
微細磁区パタンのブロッホライン(以下VBLと略す)ビット位置規定効果及び、高密度化を指向した新しい素子構成について試作素子を用いた実験及びシミュレーションによる動作解析の両面より検討を行ない、以下の成果を得た。 1.非晶質磁性薄膜中の磁区パタンを用いたストライプ磁区安定化:蛇行導体電流の作る浮遊磁界により磁区伸縮路を規定することにより、磁区パタンにより安定化された複数ストライプ磁区の安定な伸縮動作を実現した。 2.微小磁区材料における機能動作実験:1μmバブル材料上に2層導体からなる素子を試作し、動作条件を最適化することにより、VBL対の連続書き込み動作を確認した。 3.高記憶密度化を指向した新しい素子構成の検討:ストライプ磁区安定化及びビット位置規定の単層構成が可能な格子状磁区パタンについてシミュレーションにより詳細に検討を行った結果、転送特性向上には、磁区両端部における浮遊磁界の非対称性の補償、及びVBL安定化用一様面内磁界振幅の最適化が重要であることを明らかにした。また、パーマロイ薄膜中の周期的縞状磁区構造を利用するビット位置規定法が提案されているが、この磁区構造の数値解析手法を確立した。これによりビットパタンに適した材料特性について検討を行っており、VBL対との静磁気的相互作用の定量的評価が可能となった。 4.材料磁気特性の不均一としてスピン間の交換作用の局所的変化を想定したシミュレーションを行い、その磁壁及びVBLに対するピニング力を定量的に評価したところ、一軸異方性の局所的変化と同程度であることがわかった。また、磁気特性の局所的変化による磁壁とVBLの安定位置は、一軸異方性の場合は相反するのに対し、交換作用の場合は同じであることを明らかにした。
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