1992 Fiscal Year Annual Research Report
体内埋込型計測制御装置への応用としたニューラルハイブリッドICの試作
Project/Area Number |
03650330
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
島田 洋一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (50113155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 進実 金沢工業大学, 工学部, 教授 (90218503)
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Keywords | ハイブリッドIC / マイクロプロセッサ / 排尿ペースメーカ / ニューロコンピュータ / DTMF信号 / 両方向データ転送 / 超短波帯無線通信 |
Research Abstract |
本年度は昨年度の研究成果をもとに体内埋込型排尿ペースメーカを想定した計測制御装置を8ピットのマイクロプロセッサ(Z84C015)を用いて試作した.そのシステムの特徴は以下の通りである. 1.ホストコンピュータとの間で無線による両方向のデータ転送機能をDTFM信号のFM変調方式を用いて実現した.また転送されたデータが生体信号データ、処理用パラメータ、プログラム、コマンドのいずれであるかの判断は処理プログラムによっている 2.半導体圧力センサで検出された膀胱内圧はAD変換器で8ビットデータに変換されると同時にその値によって膀胱括約筋および膀胱利尿筋への電気刺激パルスの振幅をDA変換器を用いてそれぞれ調節し,昇圧用トランスを介して刺激を加えている. 3.2つのCPUを用い,それぞれに個別の処理機能を持たせて処理速度の向上とプログラム開発の効率化を図った。またひとつのCPUの故障でも他方のCPUがその機能の一部を肩代りして最低限の処理機能を実行する信頼性の高いシステムを実現する可能性を探った. 4.システムを防水箱の中に入れて生理食塩水で満たされた容器中に沈め,超短波帯無線を用いたDTMF信号による両方向のデータ転送の実験結果から,人体内外でのデータ転送は可能であると判断された. なおこの研究における今後の問題点としては,システムの電力を賄うための電磁波を用いた電源供給方式の検討,ハイブリッドIC化するための集積回路素子パッケージの削り込み法とワイヤーボンデングによる各素子間の信頼性の高い配線方法の検討,タバコの箱の約3倍程度である現在のシステムの小型化のための高い表面実装密度の基板設計手法の導入,膀胱内圧値に対応した刺激パターン生成のためのマイクロプロセッサを用いたニューロコンピュータ用処理プログラムの改善などがある.
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