1992 Fiscal Year Annual Research Report
生体磁気計測用多チャンネル型DCーSQUID磁束検出システムの研究
Project/Area Number |
03650341
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
濱崎 勝義 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (40143820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 仁 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (10143819)
松田 甚一 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30029087)
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Keywords | 生体磁気 / SQUID磁束計 / ナノブリッジ型素子 / ジョセフソン素子 / 電界蒸発法 |
Research Abstract |
ジョセフソン素子を用いたDCーSQUID磁束計は、10^<-14>テスラ程度の極めて弱い磁束密度を検出しうる感度を持つため、脳の活動に伴う脳磁界を検出することができる。脳磁界の測定と解析は、生体磁気研究者にとって最も興味ある研究対象であり、SQUID磁束計を用いて実験室レベルでの測定がなされている。しかし、医師や生体磁気研究者にとって手軽に操作でき、再現性よく信頼しうるデータを得るのに十分なDCーSQUID磁束計システムは、わが国にはない。 本研究では、制御された電界蒸発法という全く新しいサブミクロン面積をもつナノブリッジ型DCーSQUIDの作製法の開発を中心に、これを用いた微弱な生体磁気計測用の1チップ集積化多チャンネル型DCーSQUID磁束検出システムを開発することを目的としたものである。 本作製法を用いて試作したDCーSQUIDは、これまでのナノブリッジ型SQUIDの研究に大きな進展をもたらしうる程に優れた特性を示すことがわかり、米国物理学会誌(Appl.Phys.Lett.,62(1992))に論文発表した。また、これらは優れた低ノイズ性を示すことも見いだしている。 本年度の研究では、電界蒸発法によるのナノブリッジ型ジョセフソン接合を用いた集積化多チャンネルDCーSQUIDチップの試作を中心に行う予定であったがマスク(1セット〜70万円)が調達できず、行えなかった。しかし、平成3〜4年度の研究において得られた、サブミクロン面積(〜0.2μm^2)のジョセフソン接合の作製法で、得られたDCーSQUIDの特性は従来にない優れたものであることを見い出した。生体磁気計測は行えなかったが、試作したDCーSQUIDは極めて低ノイズであり、磁束計としてポテンシャルの高いものであることがわかった。今後の研究の進展が望まれる。
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[Publications] A.Irie.K.Hamasaki.T.Yamashita.T.Matui and B.Komiyama: "HighーGain dc SQUID Magnetometers with NbN nanobridges" IEEE Trans.Magn.MAG-27. 2967-2970 (1991)
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[Publications] A.Irie.H.Abe.M.Hatle and K.Hamasaki: "Fabrication and Noise Properties of NbN Nanobridge dc Superconducting Quantum Interference Device (SQUIDs)" Jpn.J.Appl.Physics.Vol.30. 238-241 (1991)
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[Publications] H.Abe.K.Hamasaki and Y.Ikeno: "Fabrication of thin film Nbー(fine Nb wires)ーNbN weak links for superconducting quantum interference device applcations" Appl.Phys.Lett.Vol.61. 1131-1133 (1992)