1991 Fiscal Year Annual Research Report
グラス位相に基づくモデル低次元化手法の開発に関する研究
Project/Area Number |
03650350
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 肇 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029535)
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Keywords | グラフ位相 / ギャップ距離 / モデル低次元化 / H無限大制御 |
Research Abstract |
1)従来からのRouth近似法、balance and truncate法、Hankel norm近似法などについて調査研究した結果、これらは安定な伝達関数(行列)に対してしか適用できないこと、とくにRouth近似法は行列の場合に拡張することが困難であることが明らかになった。後2者は誤差の定量評価式が導出されてるものの、ロバスト性の観点からは実用性に問題のある手法であることが明らかになった。 2)プロパ-安定な有理伝達関数の近似度合の計量としてのH_∞ノルムとH2ノルムをとりあげ、そのシステム・制御工学的な差異について検討した。対象をアクティブ・ノイズ・コントロ-ル問題に限定し、ノルムの違いが制御性能にどの様に反映されるかを調べた。得られた結果によると、注目する周波数帯域だけを取り出す窓関数の特性が理想的であれば、対象帯域での制御性能に差がないことが明らかになった。この結果は学術講演会で公表した。 3)理論的な成果としてつぎの知見を得た。与えられた安定有理関数に対して、勝手に指定した極をもつ有理関数でグラフ位相(ギャップ距離)の意味で任意の精度で近似できる。また、その誤差評価式を明らかにした。この結果は、時間遅れの有理関数近似に重要な動きをするものと期待できる。
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