1991 Fiscal Year Annual Research Report
超々高層ビルの常時および外乱時に対するアクティブ制震問題
Project/Area Number |
03650358
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
嘉納 秀明 明治大学, 理工学部, 教授 (00017914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 利治 明治大学, 理工学部, 助手 (80159491)
阿部 直人 明治大学, 理工学部, 助手 (10202673)
洪 忠憙 明治大学, 理工学部, 教授 (10061904)
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Keywords | 超々高層ビル / 制震制御 / アクティブ制御 / アクティブダンパ / ロバスト制御 / 最適レギュレ-タ / 極配置法 |
Research Abstract |
超々高層ビルとして,380米,100階建て床断面54m×54m175.000トンの高層建築物想定した.このような構造物の振動モデルを作るには曲げの効果のみならず,剪断効果も考慮する必要があり,その結果解析モデルとして5および10質点系によって表現した近似モデルを作成した.その第1次固有周期は7.75秒,構造減衰はレ-リタイプとして0.1%と返定した. 制震のための制御装置として屋上にマス・ダンパ-を設置した場合のパッシブおよびアクテイブ制御をまず検討した.この方式で最も問題になるのは可制御性の問題であり,このような長大な建物では屋上に操作部であるダンパを取り付けるだけでは制御が建物全体に行きわたりにくいことが生じることが明らかになった.このために屋上のマス・ダンパの他に中間階にもマス・ダンパを設置すると可制御性が向上することが判った.また受動的タンパのみでは振動は納まらず,アクテイブダンパにしないと効果が顕著にでないことが明らかになった. アクテイブダンパの制御方式としては直接速度フィ-ドバック(DVFB)ほ,最適制御レギュレ-タ法,通常の極配置法,折り返し法と言われる極配置法およびH^∝によるロバスト制御を試みた.この結果,DVFB法は速度成分のみのフィ-ドバックのため効果が悪く,通常の極配置法では極の位置を適切に選ぶのが困難であり良い設計法とはいえないことが判った.これに対して折り返し法は折り返しの位置だけが選定のためのパラメ-タであり,これをうまく選定すればかなりの効果があり設計も容易であることが判った.最適制御は折り返し法と同程度の成績であった.H^∝によるロバスト制御では外乱に対する感度を低減する制御系を構成した.この結果,より小さい質量のダンパで最適制御より良い結果を得てこの制御方式が最も実用的に有利であることを示した.
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