1992 Fiscal Year Annual Research Report
超々高層ビルの常時および外乱時に対するアクティブ制震問題
Project/Area Number |
03650358
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
嘉納 秀明 明治大学, 理工学部, 教授 (00017914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 利治 明治大学, 理工学部, 助手 (80159491)
阿部 直人 明治大学, 理工学部, 助手 (10202673)
洪 忠憙 明治大学, 理工学部, 教授 (10061904)
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Keywords | 超々高層ビル / 制震 / アクティブ制御 / 柔軟構造物 / アクティブマスダンパ |
Research Abstract |
超々高層建物の制震について研究してきた。超々高層建物の特徴とは、まず第1に固有周期がとても長いこと。(1次モードが7秒以上)第2に高次モードの減衰が必ずしも大きくないこと。などがあげられる。特に第2点目は超々高層建物が単なるメカニカル系の制振問題とは大きく異なる点である。 最上階に能動的にマスを動かすアクティブマスダンパによる制震をまず考えた。これは1次モードに効果的であり、実用化もなされている。すべての階から変位と速度を測定し用いる状態フィードバック制御よりも、H無限大制御(感度低減制御)を用いた制御系の方がマスの質量を軽減できることや、アクティブマスダンパのストローク長を軽減できることがわかった。このことは単にハードウェア的に制震問題を考えるだけでなく、制御理論的にも考える必要があることを意味してる。H無限大制御では構造物の固有周期だけでなく、地震などの外乱の周波数帯がある程度わかっていれば、より効果的に制御系を設計できる。 つぎに、モード可制御性について興味深い結果を得た。通常の制振問題では1次モードを抑えれば、ほぼ高次モードも抑えることが出来る。これは高次モードの減衰が大きいというだけではなく、アクチュエータから高次モードまでの可制御性指数(制御しやすさの目安)が大きいということを意味している。超々高層建物においてこの可制御性指数を計算してみると、それほど減衰が大きくない高次モードの可制御性指数がかなり小さいことがわかった。このことは、いくら制御エネルギーを投入しても最上階のみのアクチュエータでは制御性能に限界があることを意味している。そのため、中央部に最上階と同様のアクティブマスダンパを装着した場合の可制御指数は、アクチュエータ1つの場合より格段に可制御性指数が良くなった。
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[Publications] H.Kanoh,: "Advanced control for a super high vise building" Proc. 10th World Conference on Earthquake Engineering. Madrid, Spain. 2185-2190 (1992)
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[Publications] 森山 未央: "免震支持された均等フレームの周波数伝達関数と地震応答 -マスダンパ(TMD・AMD)による応答変位の制御-" 日本建築学会 学術講演梗概集 B編. 949-950 (1992)