1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650371
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Research Institution | NAGASAKI INSTITUTE OF APPLIED SCIENCE |
Principal Investigator |
慎 燦益 長崎総合科学大学, 工学部, 助教授 (20086391)
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Keywords | 転覆 / 横安定性 / 復原性 / ブルワーク / 打ち込み水 / 滞留水 / 自由水 / 放水口 |
Research Abstract |
平成5年度には、主として次の項目について研究した。 1)ブルワークが船の復原性を増加する側へ及ぼす影響と、船体甲板上へ打ち込まれた海水がブルワークにより滞留水となることにより復原性を劣化させる側へ及ぼす影響について検討した。 2)試験水槽において漁船の模型船を用いて、規則的な横波中の実験を実施し、復原力曲線、ブルワーク高さ、ブルワークトップからの海水打ち込み限界波高、甲板上の滞留水の挙動等が船の転覆とどの様な関係にあるかを検討した。 3)この研究の期間中に発生した第七蛭子丸の転覆事故の事故要因を調査し、その資料を得ると共に、その原因の一部を明らかにした。 船舶の安全性を論ずる場合、ブルワークの存在は復原性あるいは横安定性に直接関わりのある物としては重視されない場合がしばしばある。これは、ブルワークに放水口が設けられているためであり、従って、静的には何等考慮することが出来ない。しかし、放水口が設けられ無かったり、小さい場合あるいは閉ざされている場合などは、ブルワークは復原性を増す側へ影響するが、海水が打ち込まれると復原性を劣化させ、危険側へ影響する。今年度は上述のいくつかの点をより明確にした。
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