1991 Fiscal Year Annual Research Report
アレイ観測結果に基づく地中埋設構造物への入力地震時空間波形の提案
Project/Area Number |
03650374
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
川上 英二 埼玉大学, 工学部, 助教授 (50125887)
|
Keywords | アレイ観測 / 地震動 / 埋設構造物 / 地震波形 / 不規則過程 / シミュレ-ション |
Research Abstract |
本研究の目的は,アレイ観測デ-タの解析方法を開発することである.また,その一つの利用方法として,地中構造物の設計に使用できる代表的で現実的な入力時空間波形を作成することを目的としている.本年度の研究により得られた成果は以下の通りである. 1.アレイ観測地点間の波動の伝播の様子の推定方法を開発した. 複数地点で観測された地震波形から,波動の反射・透過などがどのように行われているかを推定する,つまり,ある地点に1の大きさの変位パルスが加わった場合に,他の地点に生ずる変位を算定する方法を開発した.その際,アレイ観測デ-タを,多次元のパラメトリック(AR,および,ARMA)モデルで表した. 2.クロススペクトル,相互相関関数を推定した. アレイ観測のデ-タベ-スに基づき,地震地波の相互相関関数,見かけ速度,コヒ-レンシ-の値を調べた. 3.時間・空間の連続的な関数としての地震波形をアレイ観測記録から推定する方法を開発した. 地中構造物の耐震設計を行う際,入力波形としてアレイ観測記録を直接に使用することはできない.何故なら,地盤ばねの間隔とアレイ観測点間の間隔が,一般には一致しないためである。こうした場合,観測点間の記録を内挿する必要がある.本研究では,地盤変位を時間と場所との連続的な関数と考え,この関数は次の2つの条件, (1)2.で求められた相互相関関数を満たす. (2)観測地点においては観測記録を厳密に満たす. を満足するものと考え,方法を展開すると共に,解析例を示した.
|