1991 Fiscal Year Annual Research Report
基礎構造の限界状態照査方法の確立に関する基礎的研究
Project/Area Number |
03650385
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
丸山 義一 九州大学, 工学部, 助手 (70209708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 久哲 建設省建築研究所, 国際地震工学部第二耐震工学室, 室長 (70108653)
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Keywords | 基礎構造 / 限界状態設計法 / 杭の変位照査 / 差分法 |
Research Abstract |
基礎構造の中でも近年その需要が増大している杭基礎の合理的限界状態設計法を確立する為、本年度は単杭の水平抵抗の理論的解析手法の誘導と数値計算を行った。 解析法の主な特長として、(1)地盤の非線形性を考慮していること(多層地盤も可)、(2)水平荷重および鉛直荷重、さらには杭頭モ-メントを考慮したこと、の2点が挙げられる。 数値計算手法としては、差分法を採用し、数少ない未知数にもかかわらず精度の良い結果が得られることを確認した。 計算結果から、幾つかの知見が得られたが、特に次の2点が指摘できる。 (1)より大きな鉛直力、曲げモ-メントが杭頭に作用するほど、杭の水平変位挙動の非線形性が増加し、水平抵抗力が小さくなること。 (2)杭頭水平荷重〜変位曲線の性状から判断すれば、杭体が地中部で降伏すると残留変位が増大し、かつ鉛直荷重が作用している状況では、水平抵抗力の増加が期待できない。したがって、杭の地中部における降伏が最終破壊状態と考えてよいと思われること。 以上の解析結果より、杭基礎の限界状態(終局)の照査方法として、本研究で採用したような非線形解析手法により杭体降伏時の杭頭水平変位を求め、それを限界変位量と比較することにすればよいと思われる。
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