1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650387
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
森 猛 法政大学, 工学部, 助教授 (10157860)
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Keywords | 道路橋 / 疲労照査 / 疲労設計荷重 / 変動振幅応力 / 疲労強度評価 |
Research Abstract |
一般に、鋼橋梁の疲労に対する安全性は、設計荷重により各継手部に生じる最大の応力範囲と継手部をモデル化した試験体の一定振幅疲労試験から求められる疲労強度との比較から照査される。しかし、橋に作用する荷重(道路:自動車、鉄道:列車)の重さや大きさは様々であるため、各部材に生じる応力も複雑に変動する。したがって、合理的な疲労照査を行なうためには部材に生じる変動応力の特性を調べ、そのような応力下での疲労強度を明らかにすることが重要である。本研究では変動振幅応力を受ける鋼橋梁部材の合理的な疲労照査法を構築することおよびそのための基礎的な資料を提供することを目的とし、本年度は以下の検討を行なった。 (1)道路橋の交通特性(車両の形式、車両の構成比、時間交通量、・・・・)を考慮した応力変動のモンテカルロシミュレーションを行ない、疲労設計に用いるべき荷重および応力範囲頻度分布を提案した。提案した疲労設計荷重は重量20tfの3軸トラックである。応力範囲頻度分布は2母数ワイブル分布に基ずくものである。 (2)疲労損傷の進行を疲労亀裂の進展としてとらえ、疲労損傷に寄与する応力範囲の限界値と疲労損傷度との関係を明らかにした。さらに、この関係を線形累積被害則に組込んだ変動振幅応力を受ける鋼橋梁部材の新しい疲労強度評価方法を提案した。 (3)鋼道路橋の疲労照査を簡便に行なうための対話型プログラムを開発した。本プログラムは、(1)、(2)での成果および最新の疲労照査法を与えている日本鋼構造協会疲労設計指針(案)での考え方を利用している。
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[Publications] 林 暢彦. 森 猛: "変動振幅応力を受ける鋼部材の疲労強度評価方法の一考察" 土木学会第47回年次学術講演会講演概要集. 第I部. 428-429 (1992)
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[Publications] 長谷川 洋介. 森 猛 三木 千寿: "パソコンを用いた複数車線鋼道路橋の疲労照査のための対話型プログラムの開発" 土木学会第47回年次学術講演会講演概要集. 第I部. 1162-1163 (1992)
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[Publications] 樽井 晶.森 猛 林 暢彦: "実交通を考慮した道路橋疲労設計荷重の検討" 土木学会第20回関東支部技術研究発表会講演概要集. 18-19 (1993)
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[Publications] 森 猛.林 暢彦: "変動振幅応力を受ける鋼部材の疲労強度評価方法の提案" 法政大学工学部研究集報. 第29号. (1993)
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[Publications] 長谷川 洋介. 森 猛: "鋼道路橋疲労照査のための対話型プログラムの開発" 法政大学工学部研究集報. 第29号. (1993)