1991 Fiscal Year Annual Research Report
下部構造を考慮したRC構造物の地震時応答性状と耐震設計法
Project/Area Number |
03650390
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
睦好 宏史 埼玉大学, 工学部, 助教授 (60134334)
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Keywords | 鉄筋コンクリ-ト構造物 / 地盤と基礎 / 応答解析 |
Research Abstract |
鉄筋コンクリ-ト(RC)構造物の地震応答解析あるいは耐震設計を行う場合、一般には、構造物の基礎を固定として、構造物を簡単な1質点系に置き換えた弾塑性応答解析を行うか、または地盤と基礎の振動を考慮しても、これらを弾性体として取り扱った解析をする場合がほとんどである。しかし、実際の構造物の地震時の応答は、地盤と基礎との影響を受けるといわれている。従って、従来の耐震設計法によって建てられた構造物に対して、地盤と基礎の影響を考慮した動的応答解析を行い、どの程度応答性状が変わってくるのかを明らかにし、従来の耐震設計法を見直すことが本研究の目的である。 まず地盤と基礎の振動を考慮し、スウェイばねとロッキングばねを用いてRC橋脚全体の3自由度2質点系にモデル化し、過去の強震記録を用いた地震応答解析を行った。この時、基礎を弾性体と弾塑性体にした二通りの場合を考えた。解析要因は、橋脚躯体の降状震度、等価固有周期、地盤のばね定数、入力最大加速度とした。地盤と基礎の影響を考慮する時、基礎を弾塑性とした場合は、基礎固定時よりも橋脚躯体の変位は小さくなった。しかし弾性とした場合には、特に長周期の時、基礎固定時よりも変位は大きくなった。また、弾性とした場合はスウェイによる変位はほとんど生じないが、弾塑性とした場合の方が、スウェイ、ロッキング両方による変位が生じた。地盤と基礎の影響を考慮すると、かなり複雑な結果となるが、橋脚躯体の降状震度が大きい時と、等価固有周期の長い時、また、地盤が柔らかい時は基礎による変位が大きくなり、その分橋脚躯体にかかる地震力は小さくなることが明らかなった。
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Research Products
(1 results)