1992 Fiscal Year Annual Research Report
高炉スラグ高含有コンクリートの強度・発熱特性と耐久性に関する基礎的研究
Project/Area Number |
03650396
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Research Institution | Wakayama National College of Technology |
Principal Investigator |
戸川 一夫 和歌山工業高等専門学校, 土木工学科, 教授 (80043537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中本 純次 和歌山工業高等専門学校, 土木工学科, 講師 (70043552)
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Keywords | 高炉スラグ微粉末 / 断熱温度上昇 / 圧縮強度 / 中性化速度 / 前養生条件 |
Research Abstract |
本研究は高炉スラグ微粉末を70%以上混入した高炉スラグ高含有コンクリートについて、水和熱特性および強度発現特性さらには、耐化学薬品抵抗性、中性化速度などコンクリート構造物の耐久性に重大な影響をおよぼすことがらについて実験的に検討し、高炉スラグ微粉末の最適な有効利用方法を究明しようとするものである。 本研究成果を要約するとつぎのとおりである。 1.コンクリートの断熱温度上昇量は高炉スラグ微粉末を置換することにより低減することができる。その低減効果は特に高置換率において著しい。 2.高炉スラグ高含有コンクリートの強度発現は、普通コンクリートにくらべて特に材令初期において遅れるが、スラグ粉末度を高めることによりかなり改善することが可能である。 3.単位圧縮強度当たりの断熱温度上昇量を用いて、高炉スラグ微粉末の強度ー発熱特性関係改善への利用効果を評価することが可能である。 4.高炉スラグ高含有コンクリートの促進中性化速度は、いわゆる√t則にしたがって、中性化係数を用いて評価することが可能である。 5.高炉スラグ高含有コンクリートの特性は前養生条件の影響を大きく受けるため、耐久性などの諸特性の改善、とくに中性化速度の抑制には充分な前養生期間を設けることが重要である。前養生期間としては7日が一つの目安として考えられるが、スラグ粉末度を高めることによってそれを短縮することが可能である。 6.圧縮強度は中性化速度を評価する指標として有効であると考えられるが、高炉スラグ高含有コンクリートについては前養生期間の影響を考慮する必要がある。 なお、耐硫酸塩抵抗性については現在試験継続中である。
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[Publications] 中本 純次・戸川 一夫: "高炉スラグ高含有コンクリート強度発現特性" 土木学会第47回年次学術講演会講演集. 5. 670-671 (1992)
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[Publications] 中本 純次・戸川 一夫 藤井 学: "高炉スラグ高含有コンクリートの中性化に関する研究" コンクリートの炭酸化に関するシンポジウム. (1993)
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[Publications] 中本 純次・戸川 一夫 藤井 学: "高炉スラグ高含有コンクリートの強度・発熱特性に関する研究" 第47回セメント技術大会講演集. 47. (1993)