1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03650415
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
浅枝 隆 埼玉大学, 工学部, 助教授 (40134332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 陽一 埼玉大学, 工学部, 助教授 (50134333)
渡辺 邦夫 埼玉大学, 工学部, 助教授 (00008880)
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Keywords | 都市環境 / ヒ-トアイランド / 舗装 / 熱収支 / 大気環境 / 土地利用 / 都市計画 / 温暖化 |
Research Abstract |
本年度は、まず、アスファルト、コンクリ-ト,砂利等の種々の舗装を作成し、夏秋冬において、舗装内の温度分布、気象条件等の連続観測を行った。この結果次のようなことが明らかになった。まず、アスファルト表面の温度は夏季の日中は60℃以上にも達し、内部にも多量の熱を蓄熱する。この熱は夜間に徐々に大気中に放出されるが、そのピ-クは夕方6〜7時頃である。土はアルベドが小さいために、日中にはコンクリ-トよりも高い温度になる。ところが、熱が土表面付近にのみ蓄熱されるため、夜間にはすぐに大気温度と等しくなり、夜間の大気温度の上昇には寄与しない。 舗装内に蓄わえられた熱は、顕熱と長波放射として大気中に放熱される。顕熱輸送量は、熱せられた舗装面上で約200〜300w/m^2である。一方、長波放射量は、日中のアスファルト表面で約650w/m^2、コンクリ-トや土の表面で500w/m^2にも達し、両者の間には150w/m^2の差がある。夜間においてもこの差は50w/m^2程度存在し、アスファルト舗装が大気の加熱に大きな役割を演じていることがわかった。 このように、舗装面から大気中に放熱される量としては、表面からの長波放射が最も大きな割合を占めているが、これは大気に吸収されることにより初めて大気温度を上昇させる。従って、大気の放射伝達吸収モデルを作成し、その量を見積ってみた。その結果は次のようなものである。まず、日射は地表面で反射されることにより、大気への吸収量が増加するが、これに〓舗装面の違いによる差は10w/m^2程度である。ところが、表面からの長波の吸収量は表面の温度に大きく存在するため、これから大気放射の増加分を差し引いても舗装面の違いによる差は60w/m^2にも達する。これは、平均人工排熱量の15w/m^2と比較しても極めて大きな量である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 浅枝 隆,永沼 崇彦,鈴木 水弘: "都市域の温暖化における舗装の蓄熱効果" 水工学論文集. 35. 591-596 (1991)
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[Publications] 浅枝 隆,Vu Than Ca,北原 正代: "道路舗装の熱環境に及ぼす影響" 環境システム研究. 19. 89-93 (1991)
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[Publications] 浅枝 隆,北原 正代,鈴木 水弘: "舗装が地面付近の大気環境に及ぼす影響" 1991年 水文・水資源学会研究発表会要旨集. 154-157 (1991)
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[Publications] 浅枝 隆: "都市域の地表面熱収支と温暖化による影響の予測" 土木学会地球規模環境問題に関するミニワ-クショック講演集. 1-5 (1991)
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[Publications] Takashi Asaeda,Akio Wake: "The Heating of the Paved Ground and Its Effects to the Surface Atmosphere" BoundaryーLayer Meteorology.
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[Publications] Takashi Asaeda,Akio Wake: "Heating of the Paved Ground and its Effects to the surfac Atmosphere" IAHS/IAMAP Symposia.