1991 Fiscal Year Annual Research Report
複雑な境界形状をもつ開水路流れの高精度数値解析手法の開発
Project/Area Number |
03650416
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河原 能久 東京大学, 工学部, 助教授 (70143823)
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Keywords | 有限体積法 / 高精度移流スキ-ム / 非線形kーεモデル / 境界適合座標系 / 近似因子法 / 共役勾配法 / ス-パ-コンピュ-タ |
Research Abstract |
本研究は,複雑な境界形状を有する開水路流れに対して実用性の高い数値解析法を開発することを目的として,既存の手法に対する改良手法を提案している. まず,格子点網への依存性を弱くすることのできる基礎方程式の新たな表現方法を導出し,それに基づいて2種類の解析コ-ドを作成した. 1つは,浅水流方程式を基礎とする水平2次元流れに対するものであり,他の1つはkーεモデルを使用する鉛直面内の2次元流れを対象とするコ-ドである.いずれのコ-ドも境界適合座標系を用い,速度成分としてはデカルト座標系で定義したものを使用している.非直交性や滑らかさを変化させた格子網を用いた数値解析結果から,基礎方程式の表現や未知量の取り扱いが有効であることを確認した. 次に,多くの計算時間を要する連立一次方程式の反復解法について収束速度と所要計算時間の観点とから検討した.その結果,ブロック反復法より近似因子法や共役勾配法系統の解法の方が有力であることを見い出した.また,それらの方法をベクトル計算機向きのアルゴリズムに変更し,収束速度を損なうことなく計算時間を大幅に短縮できることを示した. 複雑な横断面形状を有する流路の流れ場に適用可能な乱流モデルすなわち非線形kーεモデルを提案し,実験結果との比較によりモデルの妥当性を検証した.現在,このモデルを移植して3次元解析コ-ドの適用性を拡張中である. 使用する格子点数が限られることに起因する解析コ-ドの空間的な解像度不足を軽減するために,移流項の高精度離散化手法を再検討した.変数の急変部でも振動する解を算出させず精度も高いスキ-ムを導き,1次元および2次元の移流ー拡散問題に適用して有効性を確認した.
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[Publications] 河原 能久: "流体解析における連立一次方程式の反復解法のベクトル化" 日本応用数理学会論文誌. 1. 249-261 (1991)
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[Publications] Weerakoon,S.B.: "Threeーdimensional flow structure in channel conflueues of rectangular section" Proc,25th IAHR,Madrid. 373-380 (1991)
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[Publications] Weerkoon,S.B.: "A depth correction eguation for depthーaveraged flow computations in ratural rivers" Proc.Intnl.Symp.on Environmental Hydraulics. 993-998 (1991)
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[Publications] 河原 能久: "複雑な横断面形状を有する直線管内乱流の数値解析" 第5回数値流体解析シンポジウム講演論文集. 347-350 (1991)
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[Publications] Botev,I.: "Numerical modeling of sediment transport in natural streams" 第5回数値流体解析シンポジウム講演論文集. 649-652 (1991)
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[Publications] 河原 能久: "移流ー拡散方程式の高精度スキ-ムの開発" 土木学年次学術講演会.