1991 Fiscal Year Annual Research Report
地域交通施策の評価方法のための様相性ファジィモデリングの応用に関する研究
Project/Area Number |
03650430
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加賀屋 誠一 北海道大学, 大学院環境科学研究科, 助教授 (70091436)
|
Keywords | 可能性測度 / 必然性測度 / 道路環境評価 / ファジィ多基準分析 / ファジィ寄与ル-ル法 / 代替案評価 |
Research Abstract |
交通計画を行なう場合、交通活動に対する地域のかかわり合いが、大きな問題となることがよく知られたいる。しかしながら、地域の交通行動に対するニ-ズが、住民の要求の多様性、地域社会の構造の複雑性に伴ない明示的に評価できない場合が多い。また、交通施策の地域に対する効果を考えるにあたっても、その内部性と外部性をいかに評価するかによって非常に難しい側面がある。それに対して、評価に対して、ある幅を設定(認識させる)することによって、それらの評価に彈力性を持たせることが、ここでの目的である。すなわち、従来、評価方法に決定論的方法を導入してきたが、ここでは、評価に対する多値性(人間の持つ認識幅を真理とする考え方)を持たせ、それらの多値性の下での代替案評価を行なうことで、妥協的な解を見つける方法の開発を試みた。今年度は、地域住民や、意思決定者の中に存在するいくつかのゆらぎ(意見の流動性やダイナミック性)に着目し、それらの幅を認めることによって、どのように意思決定問題が不確実性を持つかについて、実際例を通して検証した。様相性は、自分の中の可能性を限りなく求める可能性測度と、自分の中のこれだけはゆずれないという必然性測度によって評価された。また、その中間的な測度も新たに提案した。実際例は、地域環境評価に基づく都市内地区整備代替案選択をパイロットモデルとし、道路周辺環境整備施策の選択をその次に検討した。方法は、パ-ソナルコンピュ-タによるモデルビルディング、評価によって行なうものとした。その結果、反対意見の影響,意見のばらつきの影響,あるいは、重要度,緊急達成度,非代替性などの属性,あるいは,それらの統合的評価によって,それぞれの代替案評価が異なり、また、その中でも安定性のある代替案を選択することによって,多様性や,複雑性を条件とした代替案評価ができることが分った。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 加賀屋 誠一(北海道大学),菊池 慎也(デラウェア大学): "可能性・必然性概念によるファジィモデリングの計画問題への適用について," 土木学会北海道支部論文報告集. 47号. 695-700 (1991)
-
[Publications] 加賀屋 誠一: "ファジィ環境下での住民意見集約法の地域政備問題への適用" 第7回ファジィシステムシンポジウム講演論文集. 95-98 (1991)
-
[Publications] Seiichi Kagaya,Etsuo Yamamura: "An Assessment of Flood Damage Potenteal in Urbanized FloodーProne Areas Uisng Fuzzy Neural Networks" Natuoal Disaster Reduction and Civil Engineering. 377-386 (1991)
-
[Publications] 加賀屋 誠一,菊池 慎也: "可能性理論にもとづくファジィ意思決定の地域整備効果評価への適用" 土木学会北海道支部論文報告集. 48号. 789-794 (1992)
-
[Publications] 加賀屋 誠一,菊池 慎也: "道路環境計画におけるファジィ評価を伴う意素決定支援システム" 第2回/:エンジニアリング・ファジィ・ワ-クショップーソフト化社会に向けてー. (1992)