1992 Fiscal Year Annual Research Report
発展途上国における国際観光開発とその経済効果に関する研究
Project/Area Number |
03650434
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
松井 寛 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (20024242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 素弘 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (90229013)
山本 幸司 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (00026337)
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Keywords | 発展途上国 / 周遊観光 / 国際観光開発 / 観光地魅力度 / 需要予測 |
Research Abstract |
最近、観光地開発に力を入れ、国際観光旅行客を引き寄せて、観光立国を目差す発展途上国が増えてきている。折しも、地球温暖化等、地球環境問題がクローズアップしてきている今日、このような国土のそのままの自然、文化を生かした開発はむしろ歓迎されるものかもしれない。しかし、この場合においても、新たな環境破壊を招くとも限らないため、その点に慎重に対処し、効果的な開発計画を立てて、実行することが必要となろう。すなわち、開発計画を立てる上では、国際旅行動態分析や海外旅行者の嗜好、周遊行動分析等、十分な研究データを蓄積していく必要がある。 そこで本研究では、まず、海外旅行者を対象としてアンケート調査等によって、魅力ある海外観光地としての要因分析を行い、観光需要予測、周遊行動分析、経済効果分析等を行ったものである。以下に研究結果を示す。1)まず、本研究では日本からの海外旅行者の需要予測を行った結果、それは、年齢別、性別でかなり異なるもののドル換算のGNPを変数としたモデルによってかなり表現できる事が分かった。2)次に、各国別の観光需要量を求めるためのモデルを構築した。このモデルは重力モデルを改良したものとなっており、観光需要量とともにその国の観光魅力度も同時に推定できるものとなっている。その分析の結果、各国別のスポーツ、自然景観等の魅力度が推定された。3)海外旅行者が及ぼす経済効果を知るものとして旅行者の周遊観光モデルの構築を行った。本研究では、実際の海外でのデータは入手できなかったため、日本国内でのデータを利用して、周遊観光モデルの構築を行った。4)最後に、簡単な産業連関分析によって、海外旅行者による経済波及効果についても考察した。
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[Publications] 溝上 章志,藤田 素弘,森杉 壽芳: "観光地域魅力度と観光周遊行動のモデル化に関する研究" 都市計画論文集. 27. 517-522 (1992)
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[Publications] 松井 寛,藤田 素弘: "交通目的連関を考慮した時間帯別発生集中交通量の予測" 都市計画論文集. 27. 367-372 (1992)
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[Publications] 山本 幸司,渡辺 尚夫: "名古屋空港航空旅客需要予測における空港利用率予測に関する研究" 土木計画学研究・論文集. 6. 201-208 (1988)