1992 Fiscal Year Annual Research Report
水道におけるかび臭問題解決のための遺伝子工学的アプローチ
Project/Area Number |
03650451
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
石橋 良信 東北学院大学, 工学部, 教授 (10111246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 銀朗 東北学院大学, 工学部, 助教授 (80194033)
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Keywords | かび臭 / 2-メチルイソボルネオール / 遺伝子工学 / フォルミディウム / プローブ / プラスミド / チトクロームP-450 |
Research Abstract |
水につく異臭味、とくにかび臭は、全国各地の水道水源で問題になっている。このかび臭問題の解決には、かび臭産生微生物の二次代謝機構を理解しなければならない。さらに、かび臭分解菌に関する知見もかび臭除去の観点で重要である。課題に対し、遺伝子工学的手法を用いたかび臭分解機構のための実験について報告する。 実験の結果、実験に供したpseudomonasの2-MIBの分解能を確認することができた。一方、2-MIBと立体化学的に非常に類似した構造を示したカンファーを唯一の炭素源として生育できる、Camオペロン遺伝子は、チトクロームP-450遺伝子をコードしている。このP-450遺伝子は、2-MIBと構造のよく似た物質を分解する際にかかわっていることから、2-MIB分解にもP-450遺伝子が関与していると見込まれる。このことから、Camオペロンのバクテリアから、哺乳動物にいたる間で高く保存されている領域であるヘム結合領域を上記のプローブにして、2-MIB分解菌からのP-450Cam類似遺伝子の探索を、サザンハイブリダイゼーションにより行った。その結果、Pseudomonasより調製した染色体のHindIIIで切り出される約6.5KbpのDNA断片にサザンハイブリダイゼーションによる反応が認められ、分解能が染色体DNA上にコードしていることが示唆された。 また、Camオペロン遺伝子による2-MIB分解能の確認を試みた結果、Camオペロンはカンファーのみでなく2-MIBをも分解することが確認でき、2-MIB分解に対してもCamオペロンに近いチトクロームP-450遺伝子の関与が予想された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 清水 昭秀: "カンファー分解geneによるかび臭原因物質(2-M1B)分解能発現" 土木学会東北支部技術研究発表会講演集. (1993)
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[Publications] 松井 三郎: "環境微生物工学研究法" 技報堂出版, 450 (1993)